「つめたいよるに」と「温かなお皿」の2章で構成されている短編小説です。
「つめたいよるに」はデューク、夏の少し前、僕はジャングルに住みたい、桃子、草之丞の話、鬼ばばあ、夜のこどもたち、いつか、ずっと昔、スイート・ラバーズと9編で現実にはあり得ないお話が綴られています。
なかでも、「デューク」は飼い犬が死んで少年の姿となり会いに来るというお話で犬好きには泣かせるお話です。
将来が見えた「夏の少し前」もなかなか良かったです。
桃子は江国さんのデビュー作のようですね。
「温かなお皿」は朱塗りの三段重、ラプンツェルたち、子供たちの晩餐、晴れた空の下で、さくらんぼパイ、藤島さんの来る日、緑色のギンガムクロス、南ヶ原団地A号棟、ねぎを刻む、コスモスの咲く庭、冬の日、防衛庁にて、とくべつな早朝、の12編が綴られていて、どれも作中に食べ物が登場し、どこにでもありそうなお話です。
夕食を用意して出かけていく両親、留守中の子供たちは体に悪そうな食事で晩餐を始めるという、「子供たちの晩餐」や娘と妻がデパートに出かけて一人で過ごす休日、昔を思い出し昼食に海鮮焼きそばを作ろうと奮起するお父さん、紆余曲折の末ようやく出来上がったり「いただきます」しようとしたまさにその時、妻と娘が帰ってくるってお話、光景が目に浮かぶでしょ。
上手いです。
「ねぎを刻む」も気持ち分かるな。
「南ヶ原団地A号棟」「冬の日、防衛庁にて」も好きだなぁ。
ほんとに超短い短編であっと言う間に読めてしまう素敵な一冊です。
図書館で借りたんですが、本の区分がティーンに分類されていてびっくりしました。
まあ、確かに中学受験とかに使われそうな作品はありましたが・・・・一般でお願いしますよ。