最近では、あまり聞かなくなった言葉ですが、
部屋の中での喫煙を許されない人が、
マンションのベランダで一服する様子をホタルにたとえた
「ホタル族」という言葉がありました。
確か、嫌煙権が広まりつつあった頃に生まれ
「家族に配慮する、心優しい喫煙者」とか
「肩身が狭くなった喫煙者の、哀れな姿」といった
文脈で使われることが多かったように思います。
でも、あれ、実は公害の垂れ流しだと
声を大にして、私は言いたい。
我が家は高層マンションの中ほどのフロアの角部屋ですが、
この季節、スッキリ晴れた秋空に誘われてベランダの窓を開け放していると、
どこからか、タバコの煙が部屋の中にまで侵入してくるのです。
これは、本当にたまりません。
おそらく、同じフロアの別邸か
上下階のどこかだと思うのですが、
家庭の中のことは、家庭内で処理してほしいと
切に切に、願います。
たぶん、ホタル族の方々は、
ご近所に迷惑をかけているとは、気付いていないのでしょう。
もしかしたら、
「ベランダで吸っている、家族に優しい私」
「気配りできる、マナーをわきまえた喫煙者」くらいに
思っているのかもしれませんね。
私が嫌煙家だと知った喫煙者が、
「僕、家ではちゃんとベランダに出て吸ってるんですよ」と
得意満面で申告してくださったこともありましたから…
でもね、もう一度、声を大にして言いますが、
それ、間違ってますから!
「ホタル族」をしている人に聞くと
いろんな理由を挙げてくれます。
いわく、
新居を汚したくないから
家族がタバコを嫌うから
子どもがいるからetc.
……じゃ、お隣近所にはその迷惑な煙を押しつけてもいいわけ?
と、あまりにも身勝手で視野の狭い戯言に、
頭の線がプチッと切れちゃうわけです。
共同生活を送るマンションですと、
臭いや鳴き声、アレルギーなどの問題で、
ペット飼育禁止のところが多いと思うのですが、
タバコも、鳴き声こそないけれど、
臭いも健康被害も該当するのですから、
建前上、共有財産であるベランダで吸っちゃ、いかんでしょう。
JTが、マナー向上キャンペーンをやっていますけれど
あそこに、ぜひ、ホタル族はご近所迷惑っていうのを
加えてほしいと思うのでした。