アメリカ兵のレイプ容疑者を野放し | Mildeの書斎

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広島県で発生した、アメリカ軍兵士4人による強姦事件。


広島県知事が「深夜に盛り場をうろつくのもどうかと思うが、云々」などと、

地方行政の長としての責任感や役割意識どころか、

思いやりのかけらもない発言をしたことが報道され、

やりきれない思いになっていた。

そこへもってきて、被疑者の身柄引き渡し要求を見送ったという。


ただでさえ、重罪を犯したアメリカ兵の身柄確保が、

アメリカの好意でもってはじめて許されるという、

およそ主権国家とは思えぬ状態だというのに……。


報道によれば、「被害者の供述にあいまいなところがある」というのが理由だとか。

あいまい……ねぇ。

19歳の女の子が、こんな目に遭って、微に入り細をうがつ供述ができると

日本の警察は、本気で思っているのか。

事の成行きなど、口に出すのも汚らわしくて堪らないに違いないのに。


アメリカ兵たちは「合意があった」と言い張っているらしいから、

もしかすると、「自分の意思で車に乗った」とでも言っているのかもしれない。
百歩譲って、仮に被害者が自分から車に乗ったとして、だからなんだというのか。

「僕たち4人に輪姦されたい?」

「うん、されたい♪」

「じゃぁ、車に乗って」

「オッケ~」

なんて会話があったとでもいうのか? ありえないでしょう、普通、そんなこと。


である以上、仮に自分から車に乗ったとしても、

イコール輪姦を望んでいたなどと、いえるはずもない。


少女がどれほどの勇気をふりしぼり、どれほどの恥ずかしさを堪え、

どれほどの屈辱を乗り越えて訴え出たのかと考えると、

警察の対応は許されざる職務怠慢だ。

土足で踏みにじられた少女の人間としての尊厳は、

少女に関わるすべての人が

「これは許されない犯行で、あなたの名誉は私たちが全力で守る」と宣言することでしか、回復できない。

それが、少女の傷ついた心を癒す第一歩であるべきなのに、

その先頭に立つはずの警察や行政がこの有り様では、

性犯罪の被害者はどこに救いを求めればいいのか。

泣き寝入りをする、させられることが、

性犯罪被害者の心と尊厳を新たに傷つけることに、警察は思い至るべきである。


「あいまいな点が……」などというあいまいで逃げ腰な理由で

身柄引き渡しを要求しなかったことは、

瀕死の少女の心が必死に上げた助けを求める声に耳を塞いだばかりか、

上から踏みつけにして顧みない行為だ。


被害を受けた少女の一日も早い立ち直りを祈るしかないのが、なんとも悔しい。