3の続きです
2人とも少しフラフラしながらも、無言で手を繋いで歩きました。
大きな駅の近くの百貨店の前に着きました。
左に行くと私が滞在しているホテル。
右に行くと駅への通路。
分かれ道で立ち止まりました。
手を繋いだまま、Kさんはまた正面から私の顔を見て言いました。
Kさん「今日はずっと一緒にいたいんだけど、こっちに行ったらダメ?」
Kさんは左の方を指差しました。
正直言うと、この展開は、想像の範囲内でした。
格好つけずに言うと、期待していた展開なのかもしれない。
十数年ぶりになるとはいえ、KさんがどんなHをするのかも知っているし、私のことを、可愛いいねとか綺麗だねっていっぱい言ってくれるであろうことも想像できます。
旦那に女性として見られなくなり、ひどい扱いしかされていない今、一夜限りその甘い世界に逃避して、何がいけないのか?
人の温もりを欲しているのは、自分でも気がついていました。
旦那への罪悪感は、、、、ない。
そもそも私たちは夫婦関係が崩壊している。
でもーーー
私「正直に言うと、私もそのつもりがあったといえばあったんだけど、、。。」
私「さっきね。別居の話を聞いた時にね。
お子さんとは関係が良好で、いいパパしてるのがわかったから。
私個人はね、、もういいの。うちは終わってるから。
誰と何しようが、旦那に文句を言われる筋合いないと思ってる。
だけどね、Kさんの家庭は終わってないよ。
夫婦関係は破綻しているのかもしれない。
だけど、私が娘さんを傷つけるようなことはできない。
10代の女の子が、両親が別居してるってだけでも辛いだろうに、お父さんがお母さん以外の人とっていうのを、万が一でも知ったら、男性不信になるぐらい傷つくと思う。
あなたの家族は終わってないから。
私が終わりに近づけるようなこと、したくない」
完全に酔いが覚めて、本音をしっかり言いました。
口下手なので、どこまでKさんに伝わったかわかりません。
来世で一緒になろうと言ったKさんは、深読みすれば、裏を返すと、今世で私ともう一度恋愛するつもりがないということなので、一夜限りという誘いなのはわかります。
ただ、十数年前、お付き合いしていた頃、別れた日に聞いた、、、
辛い時に心を癒してくれたのは、娘さんだったという事実が、私の胸の中に大きく残っていました。
きっと今も、娘さんはKさんにとって癒しであり、人生を頑張ろうと思う原動力であるでしょう。
それって、すごく素敵なことですよね。
私には子供がいないから、そういう人生に憧れがあるんです。
子供のために頑張ったり、守るべき存在がある人生。
これ以上関係を持つことは、
わたしの旦那へでもなく、Kさんの奥さんへでもなく、お子さんへの罪悪感で無理です。
そして何よりも、人の大事な子供を傷つけたら、子供が欲しくて欲しくてできなかった(まだ完全に諦めることができていない)私は、自分を絶対に許せなくなるだろうと思いました。
Kさんは、
「そっか。。。じゃあ、ななみちゃんの幸せを祈ってるから。しつこいけど、ごめんね、俺は好きだから。応援してるから。もう泣かないで。今日は楽しかったよ。本当にありがとう」
って言って、繋いでいた手をゆっくり離して、右の方へと歩いて行きました。
その場で見送っていた私。
Kさんは、何度も振り返り、何度も手を振っていました。
それにしてもーー
女は歳を重ねると現実的になりますね。
セックスレスとDVで、人肌恋しいはずなのに、、我ながら、自分の冷静さと判断力、理屈っぽさにびっくりしました(笑)
いや、昔から理屈っぽいのか、私。