恋愛とは何か?そう考えていたら遠藤周作さんの『恋愛とは何か』(角川文庫、1995年72版)の中にヒントとなるような文がありました。
恋愛と言うのは、愛というよりは愛のための準備である情熱にすぎないことです。
言い換えれば、みなさんは恋愛中における相手を思慕するあの気持ちを決して愛と思っては
ならんのです。
恋愛中における激しい胸のときめき、苦しさ、悩ましさは愛ではなく、情熱に過ぎないのです。
愛とはああいう激しい炎ようなものではない。もっと地味な、静かなものなのです。
情熱は誰でもがもてる感情であり、愛とはそんな易しいものではなくて、まず意思であり、忍耐であり、努力です。
情熱のように不安や別離などによってかき立てられるものではなく、二人の男女が家庭や生活の運命を同じくしながら、悦びも悲しみも密やかに分かち合ううちに育ってくるものなのです。
それは情熱のように本能的なもの、衝動的なものではなく、意思と努力によって生まれてくるものです。