生意気なモップの歌






モップあっくんは、あっくんとは似ても似つかないインコである。


見た目は薄汚れたダスキンモップのようだが、モップとしての機能は付いていない。


顔も不細工だし、愛嬌もない。


怒りっぽく、キレキャラで、昔のカンニング竹山っぽい。


ケージから出る時、自分で足をひっかけたくせに、迎えに行った手にケケケと八つ当たりする。


手を叩くと(あっくんはいそいそと駆けつけたものだが)、うるさいとばかりにケケケと怒る。


外に出てきたモップは、(手から降りたくないので抵抗するが)結局いつも無理矢理降ろされる。


降ろされたところに鏡がある。
モップは気を取り直して鏡に突進し、毎回自分に見とれる。
話しかけたり歌を歌ったりして大騒ぎする。


そんな時、飼い主が手を迎えにやると、あれほど手から降りるのを拒んだくせに、今度は逆に、邪魔するなとばかりに、ケケケ、カプリとやる。


ケケケめむかっむかっ


おしおきだパンチ!とばかりにそっと床に降ろして、
すまして離れる。


突然取り残されたと思ったケケケは、


(さっきまで威張っていたくせに)大慌てで追いかけてくる。


欽ちゃん走りで、横にヘンテコな足の出し方をするし、いつも全速力で走りながら、うまく走れず滑っている。


ケケケは、飛び乗った手の上で、汚れたダスキンモップのような体をモフモフさせる。
狭い手のひらを行ったり来たりする。


飼い主の口元にクチバシでタッチしながら不器用にダンスする。
喋りかけながら頬にもタッチする。


やがて疲れたこのモップは、黄色い頭をもたげて、飼い主の口元にクチバシをくっつける。
いつまででもくっつけている。
眠る前のひとときの、いわば「おやすみ」の作法だと言わんばかりに。


そうしてすっかり安心したら、両の目をしっかりつぶって勝手に眠ってしまうのだ。


掌にすっぽりおさまって、ぴたりとも動かない


温かい体温を持つ、生意気で怒りっぽい、使えないモップ。













拙いヘンテコな歌?にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。