最クリ(第5章)誰よりも貴方を・・・ | ミレディ strange novel

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奇妙な小説を求めて・・・

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~最初で最後の最高のクリスマス~
          (最クリ)


●小説詳細一覧●

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♪Last Christmas①♪Taylor Swift(小説メイン)

 

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朝・・・。

「それじゃ真理愛、母さん仕事に

行って来るから。

今日は昼の仕事が終わったら

家に帰らず、すぐに夜の仕事に行くから。


あと、今日は宏美叔母さんも

家には来れないから、

テーブルにお金を多めに

置いておくわ。


昼食と夕食は一人で食べて」

「わかった、お母さん・・・」


母親玲子は家を出た。


真理愛は、部屋の窓を開け

外を眺めていた。

母親玲子が歩く姿を

見ていた。

(今日は学校休み・・・。

母さんも宏美叔母さんも


家には来ない・・・。

今日はずっと1日中家にいるんだ。



どうしようかな・・・


真理愛はいつの間にか


眠っていた。





起きた時には朝11時になっていた。

(あ、もう11時だ・・・。

私いつの間にか眠っていた・・・。

お腹空いた・・・、


ショッピングセンターで

弁当買おう・・・)



真理愛はショッピングセンターに向かった。


いつもの様に、お惣菜コーナーで

弁当を選んでいた。

「いらっしゃい、真理愛ちゃん」

「あ、おはようございます、高野のおばちゃん」

「今日も弁当を値引きしてあげるよ。


半額でいいよ」

「ありがとう、高野のおばちゃん」

「それにしても、真理愛ちゃんは


いつも一人で食事する事が多いと

思うけど、寂しくないの?」

「全然寂しくないです」

「そう、偉いわね、


うちの弘はいつも寂しいと

言っているのに・・・」




真理愛は弁当を買うと

家に帰り弁当を食べた。


(ああ・・・、暇だな・・・。

今日は真理愛ずっと一人・・・。

何しようかな・・・・。

あ、そうだ、ひまわり公園に


行ってみよう。

もしかすると、大内のお爺ちゃんと


百花がいるかもしれない)


 

 

真理愛は、ひまわり公園に

やって来た。

公園のベンチにはまだ

誰もいなかった。


(このベンチに座っていれば

きっと大内のお爺ちゃんと

百花が来ると思うわ・・・。


待ってみよう・・・)


そのとき、冷たい風が吹いた。

(寒い・・・)

真理愛は身体を震わせた。

(いよいよ来月は12月・・・。

天気予報では、来月に初雪が


降るかもしれないと言っていた・・・。

これから、どんどん寒くなるなぁ。

クリスマスも近づいている。



学校では、12月24日の

クリスマス会の準備で

忙しくしている。

真理愛は参加しないけど、


飾りつけの手伝いはしている・・・。

本当は、真理愛もクリスマス会に

参加したいけど・・・。

ううん、クリスマス会に出ても


きっと楽しくない・・・。

だって真理愛、クラスに仲の良い子なんて

いないから・・・。


みんな真理愛を無視するから・・・。

だから、クリスマス会に参加しても

楽しくない・・・。


お母さんが言う様に、クリスマス会には

参加しない方がいい・・・。

一人の方がずっとマシ・・・。




出来れば、大好きな人と一緒に

クリスマスを楽しみたいなぁ。

お母さん・・・、

でもお母さんはクリスマスが


嫌いだから・・・、きっと一緒に

楽しんでくれない・・・。

真理愛の仲良しは・・・?)



そのとき、住人の大内と犬の百花が

やって来た。

「おお!真理愛ちゃんじゃないか!」

「ああ、大内のお爺ちゃんと百花!」


「ワンワン!」

「真理愛ちゃん、もしかしてわしと

百花を待っていてくれたのか?」

「うん!だって大内のお爺ちゃんと

百花は真理愛の大事なお友達だから」


「ほう!お友達か、それは嬉しいね」


大内は、真理愛にお菓子をあげた。

「うわぁ!美味しそうなお菓子!

これ食べていいの?お爺ちゃん?」

「勿論だよ、だって真理愛ちゃんと

わしはお友達だからな」


「やった~!」

真理愛は美味しそう之お菓子を食べた。

その様子を大内が見ていた。

(真理愛ちゃんはすっかり明るくなったな。

笑顔も見せるようになった。

本当に良かったよ)



♪見上げてごらん夜の星を♪(効果音)

 




大内が音楽を流した。

「大内のお爺ちゃん?この曲は?」

「この曲は♪見上げてごらん夜の星を♪という曲だよ。


昔の曲だよ。

わしがまだ若かった頃の曲だよ」

「それじゃ真理愛はまだ生まれてないね」

「そうだね、ずっと昔の曲だから」


「でも、この曲とても良い曲だね。

真理愛好きになったよ」

「そうか、それは嬉しいね」



真理愛と大内は

しばらく曲を聞いていた。


真理愛は曲を聞きながら

考え事をしていた。

(真理愛にも友達が出来た・・・。

大内のお爺ちゃんと百花。

もし大内のお爺ちゃんと百花と一緒に

クリスマスを楽しめたらいいなぁ・・・。


きっと楽しいだろうなぁ・・・。

学校のクリスマス会よりずっと

楽しいだろうなぁ・・・)



「大内のお爺ちゃんにお願いがある」

「ん?わしにお願い?何だね?」

「私、大内のお爺ちゃんと百花の3人で


クリスマス会がしたい」

「え?わしとクリスマス会?」

「うん!きっと楽しいと思うよ。


だって私達お友達だから」

「そうだな、それは楽しそうだな。

よし!わかった、クリスマスの日の

3人にクリスマス会をしよう!」


「やった~!」

「ワンワンワン!」


犬百花も尻尾を振って喜んだ。





真理愛は、大内と百花と別れると

一人でトーマス通りに向かっていた。

(やった!真理愛絶対に大内の

お爺ちゃんと百花の3人で

クリスマス会をするわ!


きっと楽しいだろうなぁ。

真理愛にとっては初めての

クリスマス会だから・・・)


真理愛は、期待を膨らませながら

歩いていた。




そのとき!

「ぐわぁ!」

「ワンワンワン!」


大内浩太郎は、家で血を吐いていた。

「大丈夫だ・・・、百花・・・。

心配するな、薬を飲めばすぐに治るから・・・。

わしはまだ死ぬ・・・訳にはいかない・・・。


愛する妻、百花の帰りを待つまでは・・・。


そして・・・、


真理愛ちゃんと・・・、クリスマス会を

楽しむまでは・・・。


今はまだ・・・、死ぬ訳にはいかない・・・。


あと、まだ届いていない・・・。


プレゼントが・・・、まだ届いていない・・・

雪だるまの・・・、縫いぐるみ・・・ 」



そのとき、ドアからノックの音が聞こえた。

「コンコンコン!」

「大内さん?僕です。管理人の城島です」

「コンコンコン!」


「大内さん居ますか?合鍵持っているので

入りますよ」


管理人の城島が、合鍵でドアを開けた。


そして、大内が倒れているのを見て

驚いた。


「大内さん!大内さん!大丈夫ですか!?

浩太郎さん!」

「ああ・・・、管理人の城島さんか・・・。

心配いらん・・・、今薬を飲んだから・・・


大丈夫だ・・・。

心配かけて・・・すまない・・・」


「大内さん!じっとしててください!

今救急車を呼びますから!」


「ああ・・・」


城島は急いで救急車を呼んだ。




●救急車のサイレン●(効果音)

 



大内は救急車に搬送された。


病院に大内の娘梨乃がやって来た。

「お父さん!」

大内は病室にいた。

「お父さん!お父さん!しっかりして!」

「梨乃さん、大丈夫ですよ。

浩太郎さんは、命に別状はないそうです。

今はゆっくり寝かせてあげましょう」


「あ、すみません、取り乱してしまって・・・。

城島さんが救急車を呼んでくれたそうで。

感謝します、ありがとうございます」


「いえ、私は管理人ですから。

当然の事をしただけですよ」


娘梨乃は涙を流した。

「梨乃さん、私は外に出てますから

どうぞお父様とお二人で」

「わかりました、本当にありがとうございます。

城島さん・・・」


管理人の城島は病室から出た。

病室の外に住人の山川千賀子がいた。

「城島さん!大内さん大丈夫なの!

もしかして死ぬの!」


「千賀子さん、変な事言わないでください。

浩太郎さんは大丈夫ですから。

今病室に娘さんの梨乃さんがいます。


我々は邪魔しない方がいいです」

「だって私、同じ住人として大内さんが

心配なのよ」

「でも、我々が出来る事は


大内さんを見守るだけですから。

我々が慌てても仕方ありません」

「城島さん・・・」




病室では・・・。

浩太郎は意識を取り戻していた。

「お父さん?気が付いた?」

「梨乃か・・・」

「そうよ、ここは病院よ、管理人の城島さんが

救急車を呼んでくれたのよ」


「そうか、城島さんには迷惑かけたな・・・」

「ねえ?お父さん、やはり老人ホームに

移った方がいいと思うわ」

「それだけは出来ない・・・」


「お父さん?どうして?」

「父さんは待っているんだよ。


母さんが帰って来るのを」

「何を言っているのよ、お父さん。

お母さんは数年前に死んだでしょ。

いくら待っても戻って来ないわ。

お母さんは天国にいるのよ」


「いや、お母さんは生きているんだ。

父さんにはわかる。

死ぬときは一緒だと母さんと

決めているんだ、百花と・・・。

だから、わしはあのアパート・めぞんから


離れたくない・・・。

別にあのアパートで最後を迎えても


良いと思っている。

あのアパート・めぞんは


とても落ち着くからな・・・」

「お父さん・・・」

「それに、お父さんは約束して


いるんだよ」

「約束?」


「同じアパートに住む女の子と

クリスマス会を開くんだ。


それに、その女の子に

どうしても渡さなければ

ならない物があるんだ。


女の子は、元々笑わない子

だったが、今では会うたびに

笑顔なんだ。


お父さんは、その女の子の

笑顔を見ると元気が

出て来るんだよ。


まるで、若かった頃の

百花を見ているみたいだ・・・。

だから、お父さんは一人でも


寂しくない・・・。

いつ死んでも悔いはない・・・」





 

その頃、真理愛はトーマス通りの

一角にあるレストラン・春夏秋冬の

前に立っていた。





「トーマス!メリークリスマス!

まだクリスマスは来てないけど!」


真理愛は、ショーウィンドウに

飾られている雪だるまの

大きな縫いぐるみ

トーマスを見つめていた。


「トーマス、聞いて。

私ね、生まれて初めて

クリスマス会をするよ。

大内のお爺ちゃんと


犬の百花だよ。

真理愛の大切なお友達

なんだよ。


真理愛とても楽しみだよ!」


ショーウィンドウに設置されている

テレビから動画と音楽が流れた。


♪すてきなホリデイ♪竹内まりや(効果音)

 




真理愛は、テレビの動画を見ていた。



「はぁ、はぁ、はぁ、」

そのとき、真理愛の近くを

若い女性が通りかかった。

真理愛は、動画に夢中で

女性の存在に気付かなかった。



(寒い・・・、そう言えば・・・

良樹に初めて告白されたのも

こんな寒い日だったなぁ・・・



生まれて初めて人を愛した日だった。

良樹・・・、愛している・・・

誰よりも貴方を・・・

愛している・・・)



彼女は、黒いパーカーを着ていた。

 

 

 

Next time continue・・・

 

 

 

♪It's only Christmas♪Hayley&Ronan(小説サブ)

 

 





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