動体視力ですり抜けて上級クラスに入った私は、
入ってからが大変だった
クラスについて行けないのである。
まず必要な基礎が全く出来てない。
というか知らない。
生まれて30年近く、
舞踊というものをやった事がないのだ。
振り付けだって全然覚えられない。
練習しようにも
一つの事をするのにものすごく時間がかかる。
ゆっくりでないと出来ないし、
覚えられないからだ。
スペイン語が全然分からないので
クラスで言われてる事も分からない。
毎回クラスで録音して
家に帰って辞書をひきながら調べた。
誰よりも早くスタジオに行き練習して
休憩時間も練習して
終わった後も練習した。
おかげで練習時間は学校を含めて
1日8時間から13時間になった
よくもまあ体力があったものだと思うけど
必死だったのだ。
クラスは定期的にテストのようなものがあって、
パス出来なければ初級クラス行きだし。
そしたらミラグロス先生に習えないし
あまりに下手なので
クラスでもミラグロス先生に怒られっぱなし。
「音が汚い!」
「形が悪い!」
それでも怒られてるうちはマシなのだ。
直しようがあるからだ。
本当にどうしようもないと
怒られさえしない…
それでも
憧れのミラグロス先生が目の前でちょっと踊ると
感動の嵐だった。
小鳥のような靴音
羽のようなマノ(手首)の動き
女性らしくて品があって
…タバコ吸いながら
ドスのきいた声で怒鳴りつける先生とは大違い
あんな風に踊りたい!!
あんな風になれたらなあ!!!
そんな風に
先生との距離を毎日感じながら
憧れ一つで必死に練習していた。
下手で上等!
落ちこぼれ夜露死苦!!!
今に必ず
あんな風に踊るんだ!!!!