ソースじゃなくても、オリーブオイルでも何でも、ビタビタに浸るくらいかける。たとえ相手が日本食相手だろうが、ソースのかけ方はスペイン流。
まず、お寿司に使う”わさび醤油”。
わさびも醤油も、お寿司の引き立てるくらい役目として、ほんの少し使うくらいだろうと思うのだが、こっちは、どぼどぼと注ぎ、シャリが茶色くなって、ご飯とか落ちちゃって、それくらい満遍なく浸して食べるのだ。途中でしょうゆの継ぎ足しもする。
こうなると、お寿司を食べてるのではなく、醤油を食べてるようなものだ。お寿司が醤油を引き立ててるのだ。醤油を食べるために、お寿司を食べているのだ。
スペイン人女性がある日私に言った。
「まぐろが手に入ったのよ!あなた、好きでしょう?日本人なんだし。冷蔵庫に入れておくから食べてね!」
まー、なんて親切なんでしょう

ワクワクしながら冷蔵庫をあけると。。。
そこには、黄緑色の物体がどんっとあった。
なんとマグロの表面いっぱいにわさびがバターのように塗られていて、おまけにひたひたくらい醤油に使っているのだ。
がーーーーーーーーーん、私のマグロ

そんなだったんだけど、長くこっちにいると、そんなもんだったかなと思うようになる。
さすがに、同じことはしないんだけど、まあ、それもありだったっけ?のような。
例えば、緑茶に砂糖を入れるとか。
お味噌汁を飲むのには、スプーンを使うとか。
お寿司のネタだって、海外向けに作られているネタもあって。
穴子や、うなぎのタレは、彼らの趣味で色々なものに使われているし。
そもそも、どんなだったっけ???とだんだん思い出せなくなってくる。
食べ物ネタだけではなくて。
生活の上でも、スペインと比べて日本ってどんなだったっけ?と思うことがある。
路上でチュッチュしているカップルが普通にいるスペインにいると、あれ、日本って、路上でどんな事をしてたっけ???とか。手はつないでたっけ??とか。
この前は日本の友人が、エレベーターの扉を開けながらある男性が「どうぞお姫様」と言ったのに困惑していた様子を聞いて、「日本って、お姫様って言わないんだっけ?」とか。
自己紹介は通常苗字で、名前の呼び捨てをいきなりしないんだったなあとか。
まして、自己紹介で、ほっぺたにキスして挨拶する習慣なんてないんだよなあとか。
うっかりすると、忘れてしまいそうになるんだけど、たまに旅行などでちらっとスペインに立ち寄る日本人や、こちらに来て間もない日本人に話を聞くと、新鮮な思いとともに「そうだった、そうだった」と思い出す。
そして、年齢とともに、忘れる早さが加速していく。
ああ、許して。
日本では作らなかったけど、スペインで作るようになったもの


