神式では十日毎に故人をおまつりするしきたりで、十日目を「御十日」と言うらしいです。
結衣が旅立って十日が経ちました。
あれから、私もずいぶんと平静な気持ちでいられるようになりました。病院に日参するかわりに結衣のお供え物を整えて手をあわせるのが新しい日課になりました。
夫は風邪をひいたとボヤキながら、会社に向かいました。
ミクも思い出したように咳を再開させながらも「今日保育園やってる?」と、パジャマで元気よく登園しました。
結衣のいない日常が始まっています。
昨日、夫が開いている携帯の待ち受け画面を目にして心が乱れました。
それは、最後の頑張りを見せているむくんだ顔の結衣の写真だったから。
『なんで、よりによってこんな緊迫した辛い写真を使うの?もっと可愛いい写真がいくらでもあるじゃない!』
と私は苛立ちにも似た感情を覚えてしまいました。
「ねぇ、何でこの写真なの?」と問う私に夫は
「これがいいんだ。俺はさ、この写真を見て頑張ろうと思うんだ。」
と言いました。
この時、私はようやく夫の結衣を喪った夫の悲しみ・悔しさに思い至った気がしました。
結衣が旅立って十日が経ちました。
あれから、私もずいぶんと平静な気持ちでいられるようになりました。病院に日参するかわりに結衣のお供え物を整えて手をあわせるのが新しい日課になりました。
夫は風邪をひいたとボヤキながら、会社に向かいました。
ミクも思い出したように咳を再開させながらも「今日保育園やってる?」と、パジャマで元気よく登園しました。
結衣のいない日常が始まっています。
昨日、夫が開いている携帯の待ち受け画面を目にして心が乱れました。
それは、最後の頑張りを見せているむくんだ顔の結衣の写真だったから。
『なんで、よりによってこんな緊迫した辛い写真を使うの?もっと可愛いい写真がいくらでもあるじゃない!』
と私は苛立ちにも似た感情を覚えてしまいました。
「ねぇ、何でこの写真なの?」と問う私に夫は
「これがいいんだ。俺はさ、この写真を見て頑張ろうと思うんだ。」
と言いました。
この時、私はようやく夫の結衣を喪った夫の悲しみ・悔しさに思い至った気がしました。