こんにちは

りさぽんです☺︎









叶わない恋

確実に実らない恋



わかりきっていた

あなたと幸せになれる未来がないことなんて





高校は遠いとこに進学した

中学に友達がいないわけじゃなかったけど

新しい環境でチャレンジしてみたいって思っておばあちゃんの家の近くにある高校に進学した

おばあちゃんの家は県内でし、実家から車を使えば2時間ってところ

一人暮らしするわけではないし寂しい気持ちはなかった



入学式

お父さんはどうしても外せない仕事があるから来れないみたいだったけどお母さんとおばあちゃんが参加してくれた

偉い人の話が長いのはお決まり



ちょっと目を瞑ったと思ったら、だいぶ寝てたみたい

いつのまにか担任挨拶になっていた

ま、別に誰になろうと関係ないか、



「1年E組担任の小林由依です。教師になって3年目ですが、どうぞよろしくお願いします。担当教科は音楽です。」





一瞬で目を奪われた

まさに一目惚れだ

スタイルがいいのかとてもパンツスタイルが似合う



てか担任じゃん、!

私E組だもん



どうしよう、ワンチャン、、?



なんて期待していた私の思いは見事に砕かれた





教室に戻って初めてのホームルームの時だった

見えてしまったんだ…



先生の左手の薬指に光るものが…





「小林先生は結婚してるんですか〜?」





誰かがそう聞いた

全くデリカシーがないんだから…



と言いつつも一番気にしてるのは私だったりして…





「あ、指輪見えた?笑

そうなの、去年結婚したの。」



「えっ!新婚ホヤホヤじゃん!相手は誰ですか!」



「え〜、笑」



「教師って出会い少ないって聞いたからここの学校の先生とか!?」



「ぎくっ、」



「先生〜笑

わかりやすすぎ〜笑」



「まあ、いずれ分かることだからね、笑」



なんだそれ…

新婚さんじゃないか…

それにこの学校に旦那がいるのか…



なにがワンチャンだ…

夢も希望もあったもんじゃない…



はあ、



でも一瞬、先生の顔に靄がかかった気がした

ま、私の勘違いだろうけど…





幸いなことに、私の苗字的に最後の方は確信していたが、まさか一番最後だとは

窓側の最後列

誰にも聞こえないようにため息を漏らす





自分が周りのこと違うことに気がついたのは小学5年生の頃だった

思春期にしてはまだ早いのに周りの子達はやれ誰が好きだのと楽しそうに会話に花を咲かせていた

そこで皆は男の名前をあげていった

でも、私が好きなのはひとつ上のバレーチームの女の子だった

背が高くて、顔が小さくて、少し感情が読めない人だったけど、あの頃私はたしかにあの子に恋をしていた



想いを伝えるなんて選択肢は臆病で引っ込み思案な私にはなかった

でも、中学に上がっても、彼女が市外の高校に進学したと聞いた時も、彼女に想いを寄せていた



だからなんだ、

わざわざおばあちゃんの家の近くの高校まで進学したのは、



彼女を忘れるために、



物理的に距離を置いた





そんな中、やっと彼女の柵から解放されたのに…

先生に一目惚れって…

それに既婚者…



あの頃の彼女よりも遥かにハードルが高い…

先生と生徒で、同姓同士で、相手が既婚者って…

最難関コースだよ…









入学式以来、これ以上先生への想いが大きくならないように、避けるような態度をとった

心苦しかったけど、先生と仲良くなってもっと辛い想いをするのは私だ、



なら答えは簡単だろう







そんな学校生活を送ってはや3ヶ月

仲の良い友達もできた



それなりによい日々を過ごしていた



ただ一つのことを除いては…







「先生こんちは〜」



「はいこんにちは。渡邉さんもこんにちは。」



「こんにちは…」



こうやってまなかはみんなから憧れるような明るい性格だから誰にでもおきな声で挨拶をする

もちろん小林先生も例外ではなく…



だからまなかと廊下を歩いてて小林先生と会ったらさっきみたいに元気よく挨拶するまなかと対照的に私は内気な性格だから小林先生に目をつけられてしまった…

もうどうしようもないけど、これは不都合だ、



テスト期間がやってきた

高校のテストも中学と似てるシステムだからなんとなく点数は取れそうだけど…



ここで大問題発生だ

私は中学生上がって初めての期末試験で気がついたのだが、どうも国語が苦手らしい

それに高校からは

現代文と古文の2種類になってしまい、負担も2倍

現代文はまなかが得意だから教えてもらうことはできそうだけど、古文が問題だ

まなかも古文はいまいち理解できないみたいで教えてもらうことができないのだ

あ、教えてもらってばっかりだなとか言わないでね

私はちゃんと数学が得意だからまなかには数ⅠA教えてるもん



いやそんなことよりも!

古文どうしよう…

わかんなかったら戦線に聞きに行くとかできるけど、古文の先生は小林先生だし…

まなか意外に仲のいい友達もいないし…



ここは腹を括るしかないようだ…







私は重い足取りで国語科準備室へむかう、

準備室は2号館だから人気もなく静まり返っている



少し不気味にも感じてしまう長い廊下の先に見えた準備室

たしかまなかの話によると国語科準備室は小林先生以外の教員は使っていないらしい



つまり何が言いたいのかと、

そう、密室に2人きりなのだ…





想いを寄せる相手と密室で2人きり、なんて、

何かしでかしそうで自分が怖い…



まなかは1つ年上の彼女であるペーちゃんと勉強デートと言って軽い早足で帰ってしまった…



まだ、まなかにも相談してない私の密かな恋心…



勝手に鼓動が速くなっていく、



手に汗を握り、準備室の扉をノックしようと決心してすでにどれくらい時間がたってしまっただろう、





ガチャっ



ドンっ



「いタァっ、!」



「えっ!!」





私が扉の前でなかなかノックをできないでいたら、小林先生が準備室の扉を開けて、その扉が私のおでこを直撃してしまった

あまりの痛さにその場にしゃがみ込んでしまった



「渡邉さんっ、!?大丈夫っ、!?なんでここにいるの、?」



「あ、えっと〜、古文のことで質問あって…」



「ああぁ〜そーゆーことね、」



「すいません、何か用事があるなら後日改めて伺います」



私はあくまで普通を装う

痛いけど、それよりも今まで似ないくらい近くに小林先生がいる…

その客観的事実が頭を混乱させる、

もちろん顔なんて見れやしないからずっと俯いたままで…





「こんな状態のせいと置いてどっか行けるわけないでしょ

ほら、保健室行くよ」



「いや、全然痛くないんで、大丈夫です、」



「嘘、涙目じゃん」



いつの間にか小林先生が私顔を覗き込んでいた



ああ、こん近くで見ても可愛いな、



やっぱ私って見る目あるわ



「ほ〜らっ!行くよ!」



小林先生は私の腕を引っ張って歩き出してしまった







華奢な背中

私より少し身長低いな

これくらいの身長差だったら、き、キス、、しやすいかな、、



何考えてる私、!





そんなこと考えてたら、保健室に着いていた



コンコン



「失礼しま〜す

って今日は保健室の先生お休みだったんだ」



「じゃあもういいですよ、帰ります…」



「だ〜めっ!ほらここ座って〜」



そう言って無理やり私を椅子に腰掛けさせる



「ちょっと前髪流すね」



そう言いながら小林先生は優しい手つきで私の前髪に触れた



もう夏がやってくるのに先生の手は少し冷たい

きっと冷え性なんだ



また1つあなたのことを知ってしまった、





「あ〜、赤くなってるわ。これはひやさんとダメだな〜」



先生は冷凍庫から保冷剤を1つ取り出し、それに巻くためのタオルを探す



「タオルどこかな〜」



先生って独り言とか言っちゃうタイプなんだ、

可愛いな、



「あ、あった!って、届かない…」



先生は必死に背伸びしてるけど、棚の上にあるたおりには手が届きそうにない



私は自然に体が動いて、後ろから先生を棚と私で挟むように手を伸ばし、棚の上のタオルを取った



「はい、タオル」



勝手に体が動いてしまったけど、今私セクハラしちゃった、!?



いや、でも親切心が働いたと言いますかなんと言いますか…



とにかく、!

今の行動には下心なんてものはなくてっ、!



って誰に言い訳してるんだ私は、



冷静に、冷静に…



「あ、ありがと…」



ほら先生もなんか変な空気になっちゃって気まずそうじゃん…



「渡邉さんって、私のこと避けてるよね、」



「えっ、!?」



「いやだってあからさまっていうかさ、

他の先生の授業は真面目に聞いてるんでしょ、?

私の授業はいっつも校庭とか見てて上の空だし、

それに、挨拶してくれないし、

一番は私の目を見てくれないことっ!」



バレてたか…



でも、わかりやすかったよな…

 



「私結構気にしてるんだけど…」



先生は俯きそう呟いた



「先生のことが苦手とかそんなことはないですから、私のことは気にしないで下さい」



私はなるべく棘がないように、

これ以上先生が悲しい顔をしないように

小さな声で言った





「きらいじゃないならなんで、?」



「それは言えません、」



「ねえ、なんで、?」



小林先生は私の座っている椅子の肘掛けに手を乗せ、顔を覗き込むように近寄ってきた



ああ、こんな近くで見ても綺麗な人だな、



こりゃ旦那さんは相当イケメンなのだろう

こんな綺麗な人と結婚してるくらいだ





「ねえ!聞いてる!?こんな近くにいんのになんでまだ上の空なのさ!」





どうしようか、

伝えてしまおうか、



今伝えたら楽になる気がする、

もうこんなに苦しまないでいれる



でも、伝えたら先生の立場が…



生徒に好意寄せられてるなんていい迷惑だ

せめて男子からまだしも同性の生徒って…





「ねえ!なんかいっ「好きです」」



「えっ、?」



「好きなんです先生ことが」



先生が目を見開く



「一目惚れしちゃったんです

だから避けてました

これ以上先生のこと好きになりたくなくて」



「え、待って、」



「もう待ちません。

先生が言ってきたんだしもう、待ちません」



「えっと、渡邉さんは、」



「理佐です」



「え、?」



「私の下の名前。

まなかのことは下の名前で呼んでるんだから私のことも理佐って呼んでください」



「いや、急に」



「早く」



先生の言葉に被せる



さっきまでなんで躊躇ってたんだろう

こんなに簡単じゃん



ほら先生

早く私のこと理佐って呼んでよ













すいません

一度ここでおしまいにします