Q14:当事者が支援者になる場合の注意事項や工夫があれば教えて欲しい。また、どの程度、自己開示すべきが悩んでいる。
A14:当事者が支援者になる場合は、その支援者の
さらに支援者の用意まですべきだと思います。
というもは自分がピンチのときや不調のときに
SOSがすぐに出せる状態でないと他者を支援することは
難しいからです。
自己開示は相手を見極めるのが重要です。
私たちは、たくさん体験発表した経験から
当事者周辺の人々は8割以上の人が「大変ねぇ」と
言うものの無関心、1割くらいが敵対する人、
1割以下の人が理解者と教えています。
理解者は、家族の中に発達凸凹当事者がいれば
可能性が高まります。
県内にも教育・福祉の専門家の中に
スーパー理解者がいます。
Q15:自分の発達凸凹特性に少し気づきつつも
助けを求めにこない場合、こちらから具体的に
対応策を教えたりスケジュール確認をしていくことは
逆にストレスやプレッシャーを与えることにならないか?
何か配慮の必要性はあるか?
A15:具体的に対応策を教えたり一緒に段取りを
考えることは、基本的に正解です。
でも、職場の雰囲気や人間関係、業務の難易度によって
対応はまちまちになるはずなので、
相談者の不安は理解できます。
当事者から上司には言いづらい面もあるかもしれないので、当事者の同僚に聞き取りして、どのような支援が
フィットするのか確認した方がいいかもしれません。
ケースバイケースの対応は専門家の指導のもと、
トレーニングが必要です。
詳細は文末に。
Q16:男の子3人の母だが、子らが社会で過ごす上で
誰にどのようにその子の特性を伝えたら良いか?
親がいなくなった後の、どのように環境を整えて
あげたら良いか?
A16:なるべく早い段階で福祉の専門家に
つながることが最善の選択だと思います。
なぜなら今の日本の現状で発達凸凹のある当事者が
自己理解も専門家の助けもなしに安心安全に
生きていくのは困難だと思うからです。
Q17:多動児に効果的といわれるボールにぎにぎや
手遊びに関してだが、説教中に手遊びをされると、
まずはそれを止めさせたくなる。
だが止めさせると逆効果なのかなと感じてしまうが、
どうなのか?
A17:「逆効果なのかなと感じ」る、気づく力がある
ということが素晴らしいです。
説教モードを肌で感じているのかもしれませんが、
手遊びをしているということは大人の話が
聞ける状態ではないかと思います。
発達が気になる子は面と向かって話したり
説教をしたりしても受け止めきれないタイプが
多いようです。
どうしても指導が必要なときは、まずは相手を
観察しましょう。
何かに夢中になったり、怒りでパニックになったり
しているときは、どうやっても大人の話は聞けません。
時間をおいて落ち着いてから、本人が
受け止めやすそうな方法で伝えます。
例えば野球が好きな子なら野球のルールに見立てて
本人のしでかした間違いや悪い行いなどを教えます。
一見、遠回りのようですが、これまで全く伝わらない
ゼロの状態から少しでも理解や進歩があればオーケーで、
このような工夫を少しずつ積み重ねることが
確実な方法だと思います。
Q18:理解のない地球人と仲良くした方がよいか気になる。説教されることが多くて非常に苦手だ。
A18:仲良くする必要はまったくありません。
可能な限り逃げて身を守ってください。
発達凸凹への理解のない地球人で、かつ目上で、
社会的地位のある人ほど手強い場合が多いように思います。
誰も人を傷つけないような具体的な逃げ方のパターンは、
研究してたくさん持っていてください。
逃げ方のパターンが実践できるようになってから、
理解のない地球人と仲良くする工夫を考え始めたら
いいと思います。
Q19:発達の気になる子の様子を見たり巡回相談などをしている保育士だ。そのなかで泣いたりパニックになったりしている子への声かけや対応に迷ったり不足を感じている。どのような対応や声かけをしていけば、その子の気持ちに寄り添うことができるか。
A19: 未就学児がパニックになったら、まずは
避難させて安心させてあげる必要があります。
しばらく静かで明るすぎない場所へ連れて行き、
できれば甘い飲み物や食べ物を与えて
落ち着くまで待つことです。
子の特性や家庭環境によって声かけのタイミングや
近寄り方、抱き寄せ方などが異なります。
できれば保育士の日々の業務に即したトレーニングを
専門家から受けた方が身につきやすいでしょう。
沖縄には県内で開発されたティーチャーズ・トレーニング
というプログラムがあり、お勧めです。
連絡先は文末にあります。
Q20:保護者参観日でわが娘だけがマイペースな行動で
毎回ハラハラする。
親子でできる対策は?
A20:恐らく授業中にクラスの子らと足並みを
合わせきれない小学校低学年の児童だと解釈しました。
娘さんがつまずいている場面を家庭内で再現して、
正しいやりとりや行動をロールプレイして
身につける方法がベストだと思われます。
できればペアレント・トレーニングで基本的な方法を
福祉のプロから習う方が確実に身につきます。
連絡先は文末にあります。
Q21:軽度の知的障害と発達障害を併せもつ
小2女児の母だ。
家族全員に発達の特性がある。
テレビなどで発達障害は特別な才能があると
報道されると辛くなる。
不得意な部分が多いと親も子も自己肯定感を持つのは
簡単ではなく苦しい。
どうやったら自己肯定感を持てるか?
A21:確かに困難な状況に置かれているとお察しします。
でも自己肯定感は成功体験を積み重ねるしかないです。
特性が多いと確かに不利だらけですが、わずかな
ささやかな成功はなんとかなるはず。
例えば、歯が磨けた、トイレが一人でできた、
食事がきちんと食べられたとか。
ものすごく小さな成功でいいんです。
この小さな成功をできる限りオーバーに
喜んであげてください。
でも、これは決して簡単なことではなく、継続するには
決意して取り組むしかないです。
できれば専門家から技術として学んで
身につけた方がよいと思います。
Q22:発達凸凹に向く職業は具体的に何か?
周囲へ発達凸凹の特性を認知してもらうためには
どうすればいいか?
うまく理解してもらえずに怠けているとか、
言い訳だとか誤解され苦しんでいる。
A22:確かに怠けているとか、言い訳だとかの誤解は
いわゆる無理解から生まれることなので、
とても多いケースですし、私も無数に言われてきました。
一般的には資格を取って働くスペシャリスト系や
手に職を持つ技術職、さまざまな分野の研究者に
向くといわれていますが、当てはまらない方も多いです。
特性の認知のための方法はケースバイケースで
いろいろあります。
事前に苦手なことやうまくやれないことを文書や口頭で
伝えて、やれない代わりにできることを同時に伝えます。
それで怠けや言い訳との誤解を避けることができます。
でも対応はケースバイケースで当事者の環境や
特性によって異なるのでトレーニングすることが
ベストな選択です。
Q23:発達障がいの特性にあてはまると感じたら、
どこで診断を受けたらよいか?
またグレーゾーンの場合は診断を受けるのに
ためらいがあるか?
進めるべきか?
A23:ためらいはとても理解できます。
発達凸凹の診断とその後のことは、まだまだ情報が
少ないので多くの人が手探りという状況だと思います。
発達障がい外来を診療科目にしている病院や
恩納村の大学院大学で診断は可能です。
連絡先は県や役所の福祉課にリストがあると思います。
でも、グレーゾーンだろうとなかろうと診断は先々のことをよく考えて行動したほうがいいです。
それぞれの置かれた立場や環境・状況によって診断を
受けるメリット・デメリットが異なりますから、
一覧表にしてみると整理できていいと思います。
参考までに私が作成したものをどうぞ。
●メリット(チャンス)
学校や職場で合理的配慮を受けることができる
(校内にて対応チーム編成、試験時間延長、別室試験、
IT機器使用、講義レジュメ受領、その他要望できる/民間
職場は未知数)
※県発行テンプレートで申請すると良い
障害者手帳の支給、障害年金の受給、福祉事業所サービス(就労・生活支援)を受給できる、手帳交付で様々な施設での優待・割引がある、その他
※個人によって対応が異なるので資料なし
携帯電話の大手3社は障害者手帳や療育手帳、精神障害者
保健福祉手帳などを持ってる方を対象に電話料金や
事務手数料などの割引き (ひとり1回線限定)
※最大のメリットは自己肯定感につながること
●デメリット(リスク)
合理的配慮は公立校は義務、私立は推奨だが学校によって対応の温度差が激しい。福祉事業者は民間でありサービス内容が団体により差異が激しい。障害者手帳交付や年金の受給に関しては年々厳しくなっている傾向がある。校内外・社内外にて誹謗中傷を受ける可能性あり(贔屓や不公平と言われる)
進学・就職・結婚に関して誹謗中傷を受ける可能性あり。
発達障害は精神障害者扱いとなり、精神障害者の生命保険の加入は身体障害者と比べても、かなりハードルが高い。
障害者手帳の申請前に生命保加入の場合は概ね問題ないが、規約でNGな保険もあるかも。
保険の加入以前に行政機関やケースワーカーなどに相談した方が良い。
※最大のデメリットは自己肯定感につながらないこと
●所感
デメリットは診断を受けなくても被る場合がある。
診断を受ける各個人がどのように受け止めるかでメリットにもデメリットにもなり得る
Q24:偏食やトイレなど子のペースに合わせて
対応している。
ときどき親としての立場からストレスが溜まり
怒ってしまう。
どのようにストレスを解消しているか?
A24:ある程度怒ってしまうのはやむを得ないでしょう。
発達凸凹の火星人タイプの子は人を怒らせる名人が
多いので工夫が必要だと思います。
私が一番効果的だったのは怒りが爆発しそうになったら
すぐに外に出て、散歩をすることです。
15分くらい歩けば気分がすっきりして冷静に
考えられるようになります。
他にもストレッチや筋トレ、ジョギングなどが勧めです。
気分転換として、うまい具合に運動をとり入れれば
身も心も健康になります。
なお、アルコールやゲームなどの
依存性のあるものはお勧めできません。
Q25:インタナショナルスクールが発達障がいの子に
合うことは外国の友人からも聞いている。
経済的な事情で地元の公立校に通わせる場合、うまくやっていく方法はあるか?
A25:学校側に合理的配慮を申請すると、
支援チームを学内に作ってもらったり、時間延長や
別室受験などの個別対応をしていただくことができます。
診断書の有無で学校の対応が変わる場合もあります。
県が発行している合理的配慮の資料集『えいぶる』に
ケースごとのテンプレートと記入見本が掲載されています。
この資料を取り寄せて、できれば支援センターなどで
記入方法を指導してもらうといいでしょう。
資料は無料です。
他にも家庭内や学校での集団生活などの工夫が
必要でしたら、福祉事業所にて相談やトレーニングを
受けるといいでしょう。
連絡先は文末にあります。
●発達相談とトレーニングのできる事業所
さぽーとせんたーi
那覇市三原2丁目6-1 2階 098-862-8399
さぽーとせんたーiから とお~ち【成人・就労】
那覇市首里鳥堀町4-106-4 098-882-4266