1.梶原景時 ⭐︎

もののふの取り伝えたる梓弓ひきては人の返すものかは


2.菊池武時 ⭐︎ 

もののふの上矢のかぶら一筋に思ふ心は神ぞ知るらむ


3.楠木正行 ⭐︎

とても世にながらふべきもあらぬ身の仮の契りをいかで結ばん


かへらじとかねて思はば梓弓なきかずにいる名をぞ留むる


4.宗良親王 ⭐︎

君が為世のため何か惜しからむ捨てて甲斐ある命なりせば


※北畠顕家室 入れ忘れ

玉の緒の絶えもはてなでくりかへしおなじうき世に結ぼほるらむ


※ 松翁 

今ははや忘れはつべき古を思ひいでよと澄める月かな


※花山院長親母

いとせめて老いぬる身こそ悲しけれこの別路を限りと思へば


5.足利持仲 ?

咲く時は花の数にはいらねども散るにはもれぬ山桜かな


6.武田信満 ?

梓弓ひきそめし身のそのままに五十余りの夢やさまさん


6.少弐政資 ⭐︎

花ぞ散る思へば風のとがならず時いたりぬる春の夕暮れ


7,北条氏康 ?

雪折の竹之下道ふみわけてすぐなる跡を代々に知らせむ


8.太田道灌 ⭐︎

かかる時さこそ命のをしからめかねてなき身と思ひ知らずば


9.足利義輝 ⭐︎

五月雨は露か涙かほととぎす我が名をあげよ雲の上まで


10.北畠倶教 ?

昔かたり今一度と思ふ身のあすをも知らぬ世をいかにせん


11.鳥居強右衛門勝商 ⭐︎ 

我が君の命にかはる玉の緒を何いとひけむもののふの道


12.三好康俊 ?

み吉野の花の数にはあらねども散るにはもれぬ山桜かな


13.神西元道妻 ⭐︎ (夫は尼子勝久と共に上月城の戦で毛利にやられ、自害する。)

遅れゆく道はまよはじかねてより契る心の花のうてなに


14.上杉謙信 ⭐︎

四十九年 一睡の夢

一期栄華 一杯の酒


15.三宅忠治 ⭐︎ (別所長治と連座して自害)

君なくはうき身の命なにかせむ残りて甲斐のある世なりとも


16.別所長治 ⭐︎(三木合戦に秀吉に負け自害)

今はただ恨みもあらず諸人の命にかはる我が身とおもへば


17.別所長治妻

諸共に消えはつるこそ嬉しけれおくれさきだつ習ひなる世を


18.別所友之(長治弟)

命をも惜しまざりけり梓弓世の末までの名を思ふとて


19.別所友之妻 ⭐︎

頼めこし後の世までに翼をもならぶる鳥の契りうれしき


20.別所賀相(長治叔父)の妻

後の世の道も迷はじおもひ子をつれていでぬる行末の空


21.月清(清水宗知) ⭐︎ (備中高松城水攻め)

世の中に惜まるる時散りてこそ花は花なれ人も人なれ


※ 清水宗治 弟

浮世をば今こそ渡れもののふの名を高松の苔に残して


22.豊臣秀吉

つゆとおちつゆと消えにし我が身かな難波のことは夢のまた夢


23.細川ガラシャ

散りぬべき時しりてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ