DSEにて『ハッスル両国初進出 ハッスル8記者会見』が行われた。笹原GMが「進退を賭ける」と公言している今回のビッグイベント。ハッスル軍・中村カントクとモンスター軍・アン・ジョー司令長官&島田二等兵が企画をプレゼンしたのだが、高田総統がビデオレターで日本のプロレス界がビビッてたじろぐ企画をブチあけた!

大盛況に終わった『ハッスル・ハウス』2連戦から一夜明けたこの日、DSEには多数のマスコミが集まった。次回『ハッスル8』で両国国技館に進出することが正式に発表されたのだ。
「都内初のナンバーシリーズ。今までの『ハッスル』の集大成のイベントになります」
会見開始の挨拶をする笹原GMも心なしか緊張気味だ。と、そこに中村カントクが登場。
「GM、水臭いじゃないですか!聞くところによると、『ハッスル8』に進退を賭けているらしいですね。何で僕に相談しないんですか?僕は某団体から数えて、もう両国では30回以上大会をやっているんですよ。今日はGMのために画期的な企画を考えてきました!」
自信満々に語る中村カントクの手には一枚のパネルが握り締められている。そして中村カントクの口から発表された企画は
『ハッスルアミューズメントパーク!~私を遊園地に連れてって!~』
どうだ!と言わんばかりにパネルを見せ付ける中村カントクだが、イラストもすべて手書きのため、見てくれはよくない。さすがの笹原GMもしかっめ面だ。そんな微妙な空気の中、アン・ジョー司令長官&島田二等兵が登場。二等兵降格が響いたのか、いつものラジカセはなく、二人は入場テーマを口ずさんでいた。ボロボロのTシャツに泥だらけの顔。しかし島田二等兵は全くめげた様子はなく、
「みなさん!ドゥ・ザ・ハッスルしてますか?」
と大きな声で呼びかける。さらにアン・ジョー司令長官が
「これで名古屋の夜を満喫してクダサーイ!」
と手渡ししたのは風俗情報誌。ご丁寧にイチオシ店にはチェックが付いているという。これを受け取った笹原GMは一瞬、表紙を眺めたもののそこはGM。すぐに床に本を置くのであった。モンスター軍の二人は中村カントクの企画&プレゼン用のパネルを見つけると、早速いちゃもんをつけ始めた。
「アミューズメントパークって何だよ!お前、『ハッスル』を潰す気か?」
と島田二等兵。アン・ジョー司令長官は中村カントクが徹夜で書いたイラストをこき下ろす。そして島田二等兵は
「GM!こんなの放っておいて、この高田総統のビデオレターを見てください」
と、モンスター軍の両国国技館大会用のプレゼンを始めた。例のごとく、島田二等兵は臼杵PRにビデオテープを渡すと
「おい、メス女!早くしろ!」
と怒鳴りつけ、何と臼杵PRの背中を
「ドン!」
と押したのだ。さすがの臼杵PRもこれにはぶち切れた。
「この二等兵が!」
と島田二等兵に屈辱の言葉を投げかけ、島田二等兵を突き飛ばしたのだ!これまで数々のセクハラ行為を受け続けてきた臼杵PRだが、もはや二等兵にしか過ぎない島田は何も怖くないようだ。ちなみに出席者紹介でも「~二等兵」と遂に「島田」の文字さえ省略し、ホワイトボードに殴り書きする臼杵PRであった。 テレビに映し出された高田総統。
「一昨日・昨日は多数のご来場、誠に感謝している。インリンくんもM字ビターンで頑張ってくれた。この勢いで明日の『ハッスル7』も、我々モンスター軍の快進撃を楽しみにしてくれ」
と、インリン様をNo.2に置く新体制にはご満悦の様子だ。そして話が『ハッスル8』に及ぶと、
「突然だが、『ハッスル8』はモンスター軍が乗っ取らせてもらう!」
と宣言。高田総統の口からモンスター軍の驚くべきプランが明らかにされた。
「昔、ある伝説的歌手といわれる人物の言葉に、こういったものがある。『お客さんは神様です』。この言葉を、最近観客をおいてきぼりにしがちなプロレス業界全体に投げかけたい。真に観客のことを思っている団体が、そしてイベントが、いったいどれほどあると言うのか?私の哲学ではそういった団体側のエゴを許すことができない」
と、珍しく(?)至極真っ当なことを語る高田総統。『日本のプロレス界を根こそぎ叩き潰す』という壮大な野望の裏に、高田総統のプロレスへの愛を感じさせる。そして高田総統が“観客参加型イベント”として提案したのが、『観客ジャッジシステム』だ!
このシステムは、会場に足を運んだファンがその場で
「どちらの選手がよりハッスルしていたか?」
をジャッジするというもの。もちろんジャッジの対象は試合内容だけでなく、選手の入場やマイクパフォーマンスまで含まれる。過去のプロレスには存在しえなかった、プロレスの『芸術点』も評価するというものなのだ。例えば試合に勝っても、内容がしょっぱければファンの前で『レスラー失格』の烙印を押されることもある、非常にシビアなシステムだ。
さらに高田総統はこれまで中継だった控え室の模様を一般に公開。『ハッスル8』ではモンスター軍控え室をファンの目の前に設置するという。
「レスラー、そして観客が共に同じ目線で試合に臨むプロレス。まさに観客にやさしいプロレスだ!」
と高田総統。最後は
「GMの笹原くん、『ハッスル8』を我がモンスター軍プロデュースにすることをオススメしよう。もし受け入れられなかった場合、細木数子的に言うと『あんた地獄に落ちるわよ!』だ」
と締めくくった。理路整然としていて、なおかつプロレス界初の試みとなる企画『観客ジャッジシステム』。ビデオレター終了後、笹原GMも
「芸術点を評価するのは面白いですね。それに観客がジャッジするというのも素晴らしいアイディアです。新しいことにチャレンジするという『ハッスル』の理念に通ずるものがあります」
と、中村カントクの『ハッスルアミューズメントパーク!~私を遊園地に連れてって!~』の時とは違って興味津々だ。そして
「よって『ハッスル8』は高田総統プロデュースとします」
と即決したのだった。大喜びするモンスター軍。逆に中村カントクは慌てて
「ちょっと待ってくださいよ!絶対にこっちの方が面白いですよ」
とGMに詰め寄る。すると笹原GMは
「プレゼンするならもっとまともなものを持ってきてください」
と、無表情のまま中村カントクが持ってきたパネルを膝で叩き割る!そして
「ホント、ふざけていたら殺しますよ」
と冷たく言い放った。これを聞いた中村カントクはしょんぼり肩を落とし、会場を後にした。
「僕らが高田総統の下僕として成功させます!」
と島田二等兵。笹原GMに
「本当にお願いしますよ。ホント、ふざけていたら殺しますよ」
と釘を刺されたものの、
「じゃあいつものやりますか?」
と、笹原GMを間に挟み、アン・ジョー司令長官&島田二等兵の3人で「ドゥ・ザ・ハッスル」ポーズを決めた。
観客が試合の勝敗を決める前代未聞の“観客ジャッジシステム”。『ハッスル8』は日本のプロレス界の歴史に残る一日となるに違いない!