更に過激さを増したセクシーコスチュームで、インリン様がリング上に登場。
「今回はアリシンZが負けたけど、名古屋のハッスル7では私の力を見せてあげるわぁ!」
と高らかに宣言するインリン様。
「ほー、その力を見せてもらおうじゃねぇか!」
との声と共に、名古屋でインリン様とタッグマッチでの対戦が決まっている“キャプテン・ハッスル”小川直也が登場!
「おい、インリンだかリンリンランランだか知らねぇが、女だからって容赦はしねぇぞ!」
と、ちょっと古いセンスの小川。
「私がアナタに、本物のエンターティナーとは何かを教えてあげるわぁ。あなたのその品のないボディは何なの!締まりのないボディ、センスのない角刈り…全くセクシーじゃないわぁ」
と、小川の痛いところをつくインリン様。
「セクシーには哲学と思想が必要なのよ。そう、アナタのボディには哲学と思想がないのよ!」
と罵倒する。
「ほぉ、ほぉー」
とインリン様を舐めまわす様な視線で眺める小川。
「哲学と思想だと?おい、よく聞けよ!このモミアゲにはな、思想と哲学がタップリ詰まってんだよ!ゴタゴタ言うその口に、サルグツワでもはめてやるぞ!」
と凄む小川!するとインリン様、
「本当にセクシーな男って言うのはね、ふんどし姿でも見られるのよ!」
と言う。
「お前はアホか!高田を出せ、高田を!」
と、返す言葉のない小川は叫ぶ。
すると、天からあの声が響き渡った。
「相も変わらず、よく鳴くチキンだ」
そう、高田総統の登場である!いつものように、バルコニーに姿を現した。
「今日はじっくり長めに喋ってやろう。なぜならば、メインディッシュは待たせられると、なおおいしくなるからな」
と余裕の高田総統。満員の観客席を見渡すと、
「今日、ここにいる諸君。キミたちは非常に熱心な、私の信者と認めざるをえない。なぜならば、だ。日本VS北朝鮮、この一大イベントが同時刻にあるにも関わらず来た諸君は、もう一つの一大イベントとなるインリンナイト、すなわちこの私の元へ集まるんだからな。世間の人たちは、諸君の事をおそらく“変わり者”と言うだろう」
と、高田総統は国民的イベントを蹴ってまで来てくれたファンを、やはり罵倒するのであった。
「私から下々の諸君に、ほんのちっぽけな米粒ほどの感謝の気持ちを贈っておこう」
と、ちっともありがたくない高田総統のお言葉。
「この高貴な私の姿を、初めて拝む諸君もいる事だろう。せっかくだ!いつもの挨拶をしておこう」
と高田総統。すかさず客席からは
「男だ!」
との声が飛ぶが、高田総統は
「それは違う」
とあっさりと否定。
「我こそは、高田モンスター軍総統、高田だ!」
といつものように名乗りを挙げる。
そこで高田総統、何かに気づいたようだ。
「ちょっと待った!そこにいるのはチキン君じゃないか。そんな隅っこで何をやっている」
と小川を指名。
「おい、角刈り!よく聞け。PRIDE効果のにわか人気も、今ではすっかりメッキが剥げてしまったな。チキン君、一応キミにも挨拶しておこう。お疲れさん!」
とあくまでも小川をバカにする高田総統だ。
「じゃかましい!コラッ!」
と言い返す小川だが、
「キミにはいつも言っているだろ?試合もしょっぱいが、挨拶はなおしょっぱいんだよ!どうだ、最近はJミートのCMでまたハッスルしてるのか?所詮キミの実力はその程度だ。セコセコとバラエティー番組に出て、せいぜい小銭を稼ぐといい!ハァッハッハッハッ!」
と高田総統は、またしても余計なお世話を焼く。
「笑い方がさまになってないぞ!」
と精一杯言い返す小川だが、高田総統は
「まあいい、次に行こう」
と全く無視。
「チキン君!キミは本当にインリンと闘う勇気があるのか?」
と問いかける高田総統に、小川は
「ウダウダ長いんだよ!そのイカレタ女に勝ったら、次はお前だ!」
と吠える小川。すると高田総統は、
「無礼者!モンスター軍ナンバー2のインリンに勝ってからモノをいいたまえ」
と一喝する。インリン様はそれを受けて、
「そうよぉ、チキン。総統と闘うのは1万年早いわよ!」
と挑発する。真正面から睨み合う小川とインリン様。小川のガン付けにも、一歩も引き下がらないインリン様は肝っ玉も据わっている。
「そんなヤツは相手にしねぇよ、次はお前だからな!」
と小川。そのままリングを降りしてしまう。これにはファンも拍子抜け。まさか、インリン様の気迫に押されたとでもいうのか!?
「臆病者のチキン君!名古屋でキミは地獄を見るだろう。ウワッハッハッハ!」
と小川の背中に嘲笑を浴びせる高田総統。ファンからは
「降りてこいやー!」
と声が飛ぶが、
「それは違うと言ってるだろう!」
と意にも介さない高田総統。
「あれ?姿を消したぞ。まあ、いい」
と小川が立ち去った事にも全く動じない。
「とにかく、次を見ておけ。楽しみにしておくんだ。以上!」
と高田総統。当然、場内からは
「エエーーッ!」
との声。そう、まだアレが出てないのだ。気づいたのは島田二等兵だった。
「総統!例の儀式がまだ終わっていませんよ」
と進言した。アン・ジョー司令長官も
「インリン様のブレイン・ウォッシュがまだデース!」
と続く。ファンも一斉に拍手だ。
「総統が終わりというのなら、私は帰るわよぉ」
とインリン様もお帰りモード。高田総統は
「すぐに撤収だ!」
と言う。ここで沸き起こる「インリン・コール」。そうだ、今日はそれを見るために皆が集まったと言っても過言ではない。
「そんなに洗脳されないのぉ?」
とインリン様。
「本当に洗脳しちゃうわよーん」
と言われても、大きな拍手で迎え入れる観客たち。喜んで洗脳されるようである。あまりの反応の大きさに、インリン様もその気になったようだ。
「総統、イっていいかしらぁ?」
と訪ねると、さすがの総統も
「インリン、M字ビターンをやりたまえ!」
と許可した。自分で進言したくせに、
「お前ら、本当にスケベだな!」
などと言う島田二等兵。インリン様特製のお立ち台がリング上に用意され、皆さんお待ちかねの
「3、2、1、モンスター!」
でインリン様のM字ビターンが炸裂!しかもこのお立ち台、前回よりもパワーアップしており、四方の観客が拝めるようにグルグルと回り出す。これには高田総統も感心して、「おい、これは優れものだな!」
と褒め称えた。すっかりインリン様のM字ビターンに洗脳されてしまったハッスル・サポーターたち。ハッスルポーズをやらなくても、満足気な表情で会場を後にしていった。恐るべきインリン様!名古屋でもきっと、ファンを悩殺してしまうだろう。そうなると小川は、会場にいるすべてのファンを敵にまわしてしまうことになる…。これは想像以上に恐るべき敵だぞ。どうするキャプテン!どうなるハッスル7!