試合開始に先立ち、アン・ジョー司令長官と島田二等兵が登場。昨夜の『ハッスル・ハウスvol.4』でのモンスター軍人事異動で、二等兵に格下げされてしまった島田二等兵は見るも無残なボロボロの汚い格好だ。いつもの元気はなく、ずっと下を向いている。
「ノー・ブーイングですカ?」
とアン・ジョー司令長官が問いかけると、場内からは大ブーイング。それを受けて
「ナイス・ブーイング!」
と喜びを露にする。
「トゥデイはハッスル・ハウスにカミング・ヒアしてくれてサンキューデース。ミーが司令長官のアン・ジョーデース」
と挨拶。
「そしてヒムは?」
と島田に問いかける。下を向いたまま、力なく
「に…二等兵の島田です」
と今にも泣きそうな島田二等兵に、追い討ちをかけるかのように“二等兵コール”が浴びせられる。
「ナンですか?そんな格好して」
とアン・ジョー司令長官が聞くと、
「総統に言いつけられた掃除が長引きまして…」
と島田二等兵。そのためボロボロの汚い格好をしていたのだ。それを聞き、アン・ジョー司令長官は
「ユーも落ちぶれましたね。ハッハッハッ」
と他人事のように笑うのであった。死者に鞭打つかのようなアン・ジョー司令長官のトークはまだまだ続く。
「ミーがナンバー3という事になりますが、ユーは?」
「ナンバー4?」
と心細げに答える島田二等兵だったが、アン・ジョーは
「Nooooo!」
と大否定。
「ユーは新弟子以下デース!ミーのパンツでも洗っていなサーイ!」
と大笑いした。
「さて、ビジネストークに戻ります」
と言うアン・ジョー司令長官からのインフォメーション。
「総統のプロレス壊滅計画も、全国展開をしていく事になりまシータ。こちらをルックデース」
と3月18日の両国国技館大会、3月19日の静岡大会を告知する。同時に
「ド・カントリーのプロレス・プロモーターも、モンスター軍の傘下にビシビシ入れていく事になりまシータ。コレには、某老舗団体もウワイさんもビックリデース!」
というモンスター軍の地方進出計画も明らかにした。その間、島田二等兵はずっと下を向いてうなだれたまま。よほど雑用が堪えたのだろう。見るに見かねたアン・ジョー司令長官は、
「まあ、ユーはこれから出世の可能性もありますから、頑張って下さいネ!」
と優しい声をかけると、
「ホントですか!」
と急に元気を取り戻す島田二等兵。
「よーし、今日も元気出していくか!必ず参謀長に返り咲いて見せますよ!」
とやる気を取り戻す。アン・ジョー司令長官の
「それは無理でショー」
という言葉にも耳を貸さず、ノリノリだ。
「それにしても司令長官、なんか今日は変な空気が漂っていませんか?」
と島田。アン・ジョーも
「ほんとデース。変なスメルが漂ってマース。これは“スケベ臭”デース!ここにいる皆さんは、インリン様のM字ビターンに洗脳されたくて来た、スケベな人たちばかりデース!」
と、後楽園ホールを埋め尽くした男たちの下心を完璧に見抜いて見せたのだ!
「それでは、そろそろインリン様に登場していただきますか。お前ら、見たいか!」
との島田の問いかけに、
「Yeaaaaaaaah!」
と、まるでモンスター軍志願者たちのように叫ぶ男性ファン。本当にスケベなプロレスファンだけが集まってきたかのようである。その大声援を受けて、インリン様がバルコニーに降臨した!
「ヒマでモテないプロレスファンの諸君、コンバンワ。私が高田モンスター軍ナンバー2のインリン様よぉ!下々の諸君、私をインリン様とお呼びぃ!」
とインリン様が挨拶すると、まるでシモベになったかのように男たちから
「インリン様ーーっ!」
という叫び声があちこちから沸き起こる。アン・ジョーの掛け声にあわせても、一斉に
「インリン様ーーっ!」
と叫ぶシモベと化した男たち!かつて、これほど場内が一体化したことがあっただろうか?島田も一緒になって
「インリン様ーーーっ!」
とはしゃぐほどだったが、
「二等兵の分際で、失礼だぞ!」
とインリン様は一喝。
「島田、あなたって人は、本当に使えない男ねぇ。あとでおしおきよぉ」
と言葉攻めを受けながら、身悶える島田!アン・ジョー司令長官も
「おしおきデースか…ウラヤマシイ…」
と呟く。
「そんな事より、私が決めたカードを発表しなさい!」
とインリン様の命。ここで全6試合のカードが発表された。本日は第●ハッスルという試合順ではなく、第●インリンという試合順になる事も明らかになった。得意気なインリン様は、
「このカードなら高田モンスター軍の勝利は間違いないわぁ。もし、モンスター軍が勝ったら、私のM字ビターンを見せちゃおっかな~」
と観客に投げかける。ドッと沸く館内。おそらく、この瞬間の場内の興奮度は日本VS北朝鮮を凌いだであろう。
はしゃぎにはしゃぐ島田に、インリン様は

「はしゃぐな島田!全ては対抗戦に勝ってからよ!」

と厳しいお言葉。島田はペコペコと頭を下げる。
「じゃあ、さっそく第1インリンを始めましょうか。私のシモベ、ダーク・フォン・マエストロ・アイン&ツバイ!これまで一度も負けた事がないハッスル仮面に勝ったら、ヒミツのご褒美をあ・げ・るぅ」
と、なにやら意味深な事を言うインリン様。ヒミツのご褒美とは何か?