「アン・ジョー司令長官、腕の具合はどうだ?」
司令室で一応、アン・ジョーを気遣う高田総統。アン・ジョーは
「全治1ヵ月デース。さすがインリン様、M十字で骨が軋みました」(※本当は、昨年大晦日PRIDE男祭り「SADAME」でのvsハイアン・グレイシーの腕ひしぎ逆十字固めにてケガしたモノ)
と、インリン様の必殺M十字の破壊力を語る。しかし、高田総統の気遣いもそこまで。
「ところで、次のモンスターはどうなっている?」
と話題が移る。
「NEXTモンスターは、我がモンスター軍ならではの恐怖のタランチュラ、鬼蜘蛛デース」
とアン・ジョー。
「タランチュラと地獄からの使者のコンビというわけか。楽しませてくれそうだな。鬼蜘蛛よ、お前の尽きる事のない旺盛な食欲で、あのバカ猿どもを食い尽くすがよい!」
と、高田総統は新モンスターに自身あり気だ。
一方、こちらはハッスル軍の控え室。元Mr.USAことハッスル・タイタスは、鏡を見ながらマッスルポーズの研究に余念がない。そして中村カントクは、相変わらずインリン様の写真集に釘付けだ。その光景を眺める大谷は明らかに怒っている。
「おお、大谷!調子はどうだ?俺たちも試合が終わったら、六本木に出向いてWAOOOOOと行くか!」
とのん気なカントク。大谷は
「カントク、あんたハッスル軍のカントクだろ?緊張感が足りなさ過ぎる!」
と食って掛かる。返す刀でタイタスに向かい、
「おいタイタス!お前もだ!ポーズなんて何の意味もないんだよ。プロレスは心でやるもんなんだよ!プロレスをなめるんじゃねぇよ!」
と、水平チョップをタイタスの胸に一撃!これでタイタスも目が覚めたようだ。
「行くぞ!」
と大谷。その光景を眺めていた中村カントクは、ポツリと呟いた。
「あいつは本当にアツイよなぁ」
鬼蜘蛛はまるで蜘蛛のように、床を四つん這いになって登場。滑り込むようにリングイン。しかし白使もリングの中に入ると、タイタスが先制攻撃。両者を両手でネックハンギングツリーで持ち上げると、そのまま叩きつける。タッチを受けた大谷は、鬼蜘蛛にニールキックを浴びせてコーナーでダウンさせると、顔面ウォッシュの洗礼だ。3連発を浴びせると、ロープに飛んでの強力なのを一発!場内から「もう1回!」の声が飛んで二発目!さらにリクエストに応えて三発目!もっととのリクエストが飛んだが、大谷はゴメンナサイのポーズ。白使VS大谷を経て、もう一度鬼蜘蛛VS大谷になると、鬼蜘蛛はなんとスパイダーネットを両手から発射!蜘蛛の網に捕われた大谷を、鬼蜘蛛はローリング・クレイドルでグルグルと回転させる。大谷も思わず、
「何じゃ、コリャっ!」
と叫ぶ。しかし、大谷はジャーマンで鬼蜘蛛を叩きつけるとタイタスにタッチ。白使VSタイタス、大谷VS白使を経て、試合はまたも鬼蜘蛛VS大谷に。大谷は鬼蜘蛛のフランケン・シュタイナー、ダイビングDDTに苦しめられたが、タイタスのアシストを得て鬼蜘蛛にミサイルキック!そして、スパイラルボムで3カウントを奪った。見事な活躍を見せた“アツイ男”大谷。しかし、そこへモンスター軍が乱入!大谷を大勢でメッタ打ちにする暴挙に出た。そこへキャプテン・ハッスル小川が助けに入り、投げ技でモンスター軍を蹴散らしていくが多勢に無勢、ボビッシュに逆転を喰らい今度は小川がピンチに。だが、そこへ何とモンスター軍のケビン・ランデルマンが救出に駆けつけたのである!あまりにも非道なモンスター軍のやり方に、ケビンの正義感が動かされたようだ。ケビンは小川のピンチを救い、ボビッシュをドロップキックでふっとばし、高々とドンキーコング・ジャンプを繰り出した。ケビンがまさかのモンスター軍裏切りに、沸く場内。そこへ、あのテーマが鳴り響いた!