高松宮記念に向けてキーンランドスワンが不振を脱出し、展開が大きく開けた。今年に入っての2戦は揉まれての弱さが出たためかいいところがなかったが、今回は好位のインでスムーズに流れに乗り、ゴール寸前、逃げたカルストンライトオの最後の1F12.5秒の乱れに乗じ、追ってしぶとく伸びた。もともと阪神コースより平坦の中京向き。昨年の高松宮記念は3着だった。カルストンライトオは明らかに本調子一歩手前、動きも硬く、とても昨秋のスプリンターズSのデキになく、59キロも不利と思えたが、さすがG1の勝ち馬、圧倒的なスピードを見せた。大外の不利も克服し、33.7-44.9-56.0秒。鈍ったのは最後の1Fだけだった。こちらは高松宮記念の中京コースに良績が乏しいのと、メイショウボーラーが待っているのは苦しいが、芝で飛ばす気になればスプリント能力は互角以上。この馬が完調で出走するとレースレベルは極めて高くなる。人気のギャラントアローは抑えて進むのは予定通り、うまく流れに乗っているように見えたが、自在性を増したとはいえ、追って鋭く伸びる脚はなく、逃げ馬をマークしての先行流れ込みタイプに変わるのが精一杯だろう。カルストンライトオから離れてしまっては苦しい。阪神コースももう一歩とあって案外の内容だった。弱気すぎた気がする。差し比べになったアドマイヤマックスとウインクリューガーの2頭では、休み明けで、またこの距離に実績のなかったウインクリューガーの方が、ゴール寸前の脚色はずっと良かった。1200mの適性に注目だろう。アドマイヤはまだ体が太い気がする。