4歳ハットトリック(父サンデーサイレンス)の豪快な末脚がフルに爆発した。レースの流れ(前半47秒9-後半45秒8)がスローだったため、勝ち時計の1分33秒7は平凡でも、久しぶりに見るAランクの迫力のストライドだった。ハットトリック自身の上がり3Fは32秒9。たまたまだが、これは同じ東京コースのマイル戦(牡丹賞)で見せた上がり32秒9と全く同じ。当時もそうだったが、レースラップとの比較から、確実に2Fは連続して「10秒台」の爆発力を示している。春の展望はG1安田記念になるが、今一戦ごとに迫力を増している4歳馬、視界良好だろう。今回も最後方一気ではなく、また前々走でも早めに動けたように、自在性も備えている。レースの流れには特に注文はつかないだろう。体型は異なるが、タイキシャトル、タニノギムレット型のストライドで、圧倒的な迫力はともすれば硬さを感じさせるし、そうはしなやかではないので、大事なローテーションを取って欲しいものだ。連戦連勝の形になってはいるが、自身にはかなり負担のかかるフットワークを使うタイプに見える。キネティクスも負けたとはいえ、OPの、それも重賞で答えの出せる馬になった。前走の京都金杯同様、ハットトリックには完敗だが、レースぶりに安定感が出てきた。スムーズに流れに乗れる自在性も増し、今後も大きく崩れることはないだろう。4歳グレイトジャーニーは、やっと能力が前面に出かかってきた。今回のレース内容からはっきりマイラー型だろう。こちらは路線を決めてきそうだ。直線(11秒0-11秒2)のラップが刻まれた地点で優劣の分かれたレースで、アサクサデンエンは位置取りうんぬんではなく、スケール負けだろう。自在性を増したと思えたミッドタウンも、不得手の東京とはいえ、瞬時に置かれたあたり、やはりかつてのスピード能力は失っている。

アサクサデンエンは後に、京王杯SC(GⅡをレコードで快勝)