やっとスランプ脱出がみえてきた4歳ハイアーゲームに期待したい。秋に不振だったのは夏のオーバーホールに成功したとは言えない調整と、パンとしない脚部にもあったが、最大の原因は過酷すぎたダービーの激走だろう。あの時期に乱ペースでの2分23秒台はきつすぎた。勝ったキングカメハメハ以下、特に上位入線の馬は、その後ことごとく不振に陥っている。順調だったのはスズカマンボぐらい。あのダービー、故障馬が続出し、18頭のうち、実に8頭がその後のレース出走がないという事実がある。とくに力を出し尽くし、最後の坂上で止まったハイアーゲームの反動は大きかったはずで、秋にスランプに陥ったぐらいは、出走もできない8頭に比べれば、まだ良かった方だ。有馬記念は気楽な立場だったとはいえ、のびのび走って直線の伸びは上々。2分30秒4の走破時計も従来のレコードと互角だった。はっきりスランプ脱出のきっかけをつかんだといっていいだろう。馬体もふっくらし、秋のくすんだ線の細さは消えていた。そのあと放牧に出ることもなく、やっと体調上向きだけに順調に乗り込まれている。体調不安さえなくなれば、青葉賞で2分24秒1、ダービーで2分23秒8の記録を残した高い能力とコース適性が生きてくる。3歳春にトップグループにいたとはいえ、どちらかというとゆっくり成長する奥手タイプ。凱旋門賞馬イヴァンジカに欧州型のパワフルな種牡馬を重ねて配してきた牝系らしく成長力とスタミナに溢れている。今期は期待通りに主役の1頭となりそうだ。 同じオーナーのコイントスも、長い休養から立ち直り少しずつ上昇中。長丁場でペリエ騎手、大きなプラスを考えていい。