ハッスルあちちの真っ赤なガウンを眺めながら、
「しかし派手だな…」
と呟くキャプテン小川。中村カントクも
「そうですね」
と同調する。そこへ噂の主“ハッスルあちち”こと大谷が登場。
「あちー、この会場クーラーが入ってないんじゃないのか?暑くてしょうがない」
と一人だけ真夏の大谷!
「おい、あちちよ。このガウンハデすぎじゃないか?」
と釘を刺すが、
「何だよキャプテン、本当は俺のガウンが羨ましいんでしょう。何ならデザイナー紹介しましょうか?」
と皮肉にも応えない熱い男・大谷。
「まあ、いいや。大谷、今日は頼んだぞ!」
と小川。そう、今日はキャプテン&あちちの初タッグ結成の日なのだ。
「俺の熱さで富士山の雪も溶かすぞ~」
とやる気満々で頼もしい大谷に、握手を求める小川とカントク。しかし、
「あちちっ!」
平熱が37・5度だという大谷の熱さに思わず手を引っ込める。
「キャプテン、カントク、俺に触れると火傷しますよ!」

いきなり小川がアン・ジョーとボビッシュに捕まった。ボビッシュがコーナーの小川にアン・ジョーを叩きつけ、さらに自らバッファローアタックを仕掛ける。二人がかりで殴る蹴るとやりたい放題だが、小川はアン・ジョーにロープへ飛ばされるところで身体を入れ替えて同士討ちを誘い、ボビッシュにもパンチ。何人ものレスラーがやられてきたボビッシュのタックルにも小川は倒れず、ムキになってもう一度仕掛けてきたところで投げを見舞う。ボビッシュの巨体が軽々と宙を舞った。ここで大谷にタッチ。というか、凄い勢いでタッチを求めてきたのである。なぜか大谷はすでに汗まみれ。ボビッシュに顔面ウォッシュを決め、摩擦熱でボビッシュの顔を焼く勢いだ。自ら「もう1回」コールを煽り、ロープの反動を利用しての顔面ウォッシュ!だが、ボビッシュもラリアットで逆襲。アン・ジョーにタッチしてすぐにフォールへ行くがカウントは2。大谷は「あちちコール」を観客に要求し、アン・ジョーのエルボーに熱い平手打ちを返す。だが、カウンターでアン・ジョーのボディパンチをもらい、腕への集中攻撃を受けて完全にグロッギーになってしまう大谷。アン・ジョーはセカンドロープからの正拳突きも見舞う。ボビッシュにタッチ。大谷にラリアットを喰らわせカウントは2.9。ボビッシュはオクラホマスタンピート、ボディプレス、リフトアップスラム、エルボードロップとパワーを利した波状攻撃。たっぷりと大谷にダメージを与えて、アン・ジョーにタッチする。モンスター軍の連携攻撃に、一方的にやられてしまう大谷。その火は風前の灯と化した。勝利を確信したアン・ジョーは
「どーですカー!」
と観客へ向かってアピールする。だが、ここで油断が生まれた。ロープから返って来たところに、大谷のキックが炸裂!すかさず小川にタッチを求める大谷だが、慌てすぎてニュートラルコーナーへ行ってしまった。とりあえずタッチに成功。小川はアン・ジョーを巴投げ、背中に蹴りを入れて、昨日の川田戦でも見せた秘密兵器の四の字固めを繰り出す。一説によると、高田総統はこの四の字固めに苦い思い出があるらしい。そこへ島田がロープへ引き寄せようと、水筒のストラップを投げる。これに気を取られた小川に、ボビッシュがカットに入った。ボビッシュは小川にボディスラム、ボディアタック、ストンピングを次々と見舞い、回復したアン・ジョーが小川を捕まえる。しかし、同士討ち。ボビッシュが場外へ転がり落ちる。そこへアン・ジョーの背後から大谷がミサイルキック、よろけて前へ出てきたところで小川がカウンターのSTO!さらに大谷がニールキックを見舞うと、そのまま小川がバックドロップと見事な連係プレーだ。最後は小川がSTOをもう一度決めて、アン・ジョーからフォールを奪った。
モンスター軍が乱入してきたが、川田が駆けつけて蹴散らす。小川、川田、大谷のハッスル軍トップ3の結束はより強くなったようだ。対抗戦もハッスル軍の勝利に終わり、大団円。
だが、そこへあのお方の声が響き渡った。
「おい、そこの3バカトリオ!」