東京都内で「キャプテン争奪・観客ジャッジメントマッチ」の再調印式が行われた。先日の会見で途中退席した小川を川田が呼び出し、サインをさせるというものだったのだが…

会見開始時間が迫っても会場には小川・川田両選手の姿はない。加藤(A)GM代行は
「二人とも少し遅刻しておりますので、もうしばらくお待ちください」
と事情を説明する。するとそこになぜか石狩太一が登場。何やら加藤(A)GM代行に耳打ちを始めた。聞こえるか聞こえないかの小さな声で
「あの…今日川田さん来ないと思います」
と石狩。まさに寝耳の水の加藤(A)GM代行は
「えっ!何言ってるんですか?川田さんが小川さんを呼び出したんですよ。もう小川さん来ますよ」
と慌てる。これに対し石狩は
「川田さんに『お前が行け』って言われてとりあえず来ました。とにかく川田さんは来ません」
の一点張り。ここで石狩と議論していてもラチが開かない。しかしそうこうしているうちに小川が登場。川田がいないことに気付くと
「オイ!川田はどうした?」
と加藤(A)GM代行に詰め寄る。言葉に困った加藤(A)GM代行だが、勇気を振り絞って
「…川田さんは来ません」
一方、石狩はそんな加藤(A)GM代行と小川のやりとりを、会場の隅っこで小さくなってみつめていた。もちろんこんな言い訳が小川に通用するはずがない。小川は石狩を見つけると
「何でお前がここにいるんだよ。ていうかお前誰だよ!」
と一歩一歩石狩への方へと近づいていく。
「僕はハッスルI(アイ)です」
と威勢良く言ったはいいものの、小川に睨まれると
「川田さんに来るように言われたから来ただけです」
「ちょっとよく分からないです」
と苦しい言い訳を連発。そんな石狩に小川のイラつきも頂点に達した。小川は「川田がいねえと話になんねえじゃねえかよ!お前とりあえずリングに上がれ!」
と石狩に命令。そして恐る恐るリングに上がった石狩に
「おい、かかってこい」
と小川。
「えっ!いいんですか?」
とタックルを仕掛けた石狩だったが、小川はそれを軽くいなすとバックに回ってチョークスリーパー。続けざまにチキンウィング・アームロック。もがき苦しむ石狩を
「何がハッスルIだ!」
と一喝し、再びチョークスリーパーで絞め落とした。怒りの小川は
「こんな不届き者を連れてくるんじゃねえよ!」
と言いながら、加藤(A)GM代行から調印書を奪い取り、殴り書くように名前をサイン。マットにはいつくばる石狩にその調印書を叩きつけた。リングを降りた小川は記者陣に向かって
「はっきり言うけどな、たかだか全日本の元三冠王者くらいで、ハッスル軍のキャプテンは無理なんだよ!ハッスル軍のキャプテンは全日の三冠ベルトより重いんだよ!覚えとけ!」
と叫ぶ。そして再びリングに視線を移し
「川田に言っとけ。ふざけたマネすんじゃねえって」
と捨て台詞を吐いて、怒りの表情のまま会見場を立ち去った。これも怖い小川を引き出すと明言している川田の陽動作戦なのか。少なくとも小川の怒りのボルテージが日に日に高まっている事だけは確かである。