普段介護の現場で看護師のお仕事をしています。

そして兼業で自営業もこなす母なのですが…
おそらく、一生忘れられない親子の話があります。
反面教師として、そして現場でスタッフを育てる身としても一生忘れられないと思います。
 
彼女が入社したのは4か月前の出来事でした。
途中採用の新人として高校中退で入りました。
会社からは資格を取っていると聞いていたので、介護の初任者研修を受けたと認識していました。
 
ただ、問題があり家庭環境が複雑な状況だと聞いていました。
親が子供を捨てたと・・・。
どんな事情があったかは知りませんが
親元ではなく、施設で生活していたらしく入社にあたり必要になる身元保証人すら、親が拒否していたと聞いていました。
 
まだ若い18歳の女の子です。
障害をもつ上のこと同じ年です。
来年の成人式は可愛い着物を着せたいねと、管理者と話しするなど、現場ではその子のお母さんか代わりの心境でした。
 
親の愛情に恵まれずとも、職場で自立してゆく手助けになれば、それは幸せなことと感じていたのです。
 
でも、介護の現場は厳しいです。
人対人の現場で命の現場です。
綺麗な仕事ばかりではありません。
苦しかったこともあったと思います。それでも彼女は頑張ろうとしていました。
 
夜勤が入るようになり、責任も増え技術に医療度の高い仕事を求められていたにも関わらず
全く覚えていなかったり、出来ないという状況が発覚し、私は彼女を叱りました。
インスリン治療のある方の自己注射のセットが必要になるのですが、
清潔不潔がなっておらず、インスリンの針を指しそうになるなど、とても利用者様の安全も自分の身を守ることすら困難であると判段しました。
 
そして私は彼女を叱りました。
本気で叱りました。
いい加減にすることは、命を守ることすら出来ないからです
私に叱られたあとは、周りがフォローし彼女がやれるようにりました。
そして一段落した数日後、無断欠勤の末退職願を出したそうです。
 
 
仕事が嫌になったとの事でしたが・・・実は知的に問題があったらしいのです。
会社との話し合いでは、介護ではなく清掃員としての雇用契約の存続も提案されたようだったのですが…彼女はもう新しい仕事を見つけ、働きたくないと決心していたようでした。
無断欠勤後、異例の速さで退職扱いとなりました。
 
そして1か月後会社に電話がかかってきてすべてを知りました。
彼女は男と逃げたそうです。

 

楽してお金が稼げるとして、彼女の選んだ道はなんと18歳で風俗でした。
身元保証人も居ない、会社側に家電等新生活用品の借金も発生していたようなのですが
それらすべて新しい会社で清算してもらった代わりに、彼女には怖い世界の監視役が付いていたのですが、逃げてしまった様なのです。
聞いた時は驚きました・・・

借りたお金を清算できても、その後の彼女の人生を考えると

信じられなかったし、同じ年の娘がいます。
母として女性として・・・心が痛みました。
なぜ…止められなかったのかと悔やみました。
 
周りに助言する大人がいなかったのかと
でも、助言できなかった大人の一人が私でもありました。
 
苦言を呈するのは大人の役目でしょうか?
身元保証人もなく、施設には戻りたくない。
でも独り暮らしがしたい。自分の欲求を満たす条件の仕事を選択をしてしまった彼女。
 
ハンディキャップの有無だけではなく
親に見捨てられなかったら…彼女は人生を踏み外すことはなかったのでしょうか?
叱られたから・・・介護の世界から逃げてしまったのでしょうか?
本当にむなしいです。
仕事の楽しさもやりがいも、彼女に伝えられなかった
自分の力のなさに後悔しています。
 
これは他人事ではないのです
娘もいつ私の知らないところで、そんな選択をしないと言い切れないと思うのです。
だからこそ、親である以上
嫌な事から逃げることではなく、乗り越えることを教えられる母でありたいと思いました。