二宮和也さんにインタビュー

「僕自身は料理には無頓着なんです(笑)」

「充にしてみれば、ドッキリにかけられたようなもの。当時、レシピがたどった壮絶な運命を知るのは、苦しいし切ないと思う。それでもそのときの人の思いが、時代を越えて充にたどり着くわけだから、運命の不思議さを感じます」

二宮さん自身の“運命”で思い出されるのものは?
「ちょうど仕事の谷間で不安だった時期に、映画『硫黄島からの手紙』のオーディションを受けました。僕は受かること以上に、クリント・イーストウッドに会えたらいいなと思って行ったら、彼はその場にいなかった。台本から自分で抜粋して演じるテストだったんだけど、僕の中では正直モチベーションが薄くなっていて、一言だけのシーンを選んで。そしたら『全てに絶望してる感じがすごく良かった』と後からご本人に言われて(笑)。当時もし本人がいて、やる気を全面に出していたら、受からなかったかもしれない。普通の会社の面接なら絶対に不合格なのに、何が幸いするか人生わからない(笑)」

大事にしているのは、「自分の尺度で測らない」こと。
「人には良い面悪い面、いろいろあるはずだから、僕は両端を見るようにしているかな。自分の意見が通る年齢になってきましたが、僕は脇役であろうと主役であろうとスタッフであろうと、みんなが自分の意見をフラットに言いあえる場をつくる人でありたい」