気付けば世界は、 夜9時。
またあしたが訪れる、 神さまからのそんな告示。
いつもと同じ、 適当な食事。
もしもの日常を想像する、 入浴時。
苦節二十数年、 いまだ上手く生きれない未熟児。
常に引き続けてきた、 ハズレオンリーの貧乏くじ。
未来を切り拓くのは、 いつだって各自?
そんな綺麗事にツバをぶっかけるあたし、 反逆児。
大井競馬場よりも救いのないこの世界に、 ご祝辞。
人生なんて、 端から結果の決まってるあみだくじ。
“あたし”という名の本の、 1ページ目の目次。
何も書かれてないその色は、 さながら古の白磁。
絶えやしない、 悪事。
やり場のない、 意気地。
まるで当たりが出ることのない、 宝くじ。
鬱を紛らわせようと、 今日もお散歩する夜6時。
普段は滅多に通らない、 遠回りな道を散策時。
目に飛び込むは、 雨のなかに踊るナメクジ。
命そして生きることの意味を、 改めて憶持。
透明なその様は、 まるで翌る日のあたしに酷似。
またあした目を覚まそう、 いつもと同じ朝9時。
おやすみ、世界。
あしたはきっとしあわせになれますように。