経済界と移民拡大と技術革新と

神宮外苑の再開発妨害運動を行ってきた日本共産党系の活動家が

100年の歴史ある森がー!
伊藤忠のビルは築43年しか経っていないのだから100年以上使え!

などという意味不明な主張をしていたようです。

日本共産党は築20年の代々木レッズ本部ビルについて
「老朽化で改修が必要なんでみんな寄付してください。目標は5億円です」
などと募金集めを開始したばかりだと思うのですけどねー……。

あちら界隈って自分の思い通りにならないと
意味不明な主張でしっかりとブーメランを投げるみたいですね。

さて、昨日は移民問題と地続きになっている
我が国の労働政策について触れました。
今日はその続きみたいな内容にしたいと思います。

1ユーロジョブというのはご存知でしょうか?

移民や失業者をそのまま失業者にさせないで
雇用へ繋げるためという名目で作られたました。

1週間の労働時間を30時間以下に制限し、
社会保険加入義務を無くし、労働法や労働協約も適用されないようになっています。
そして失業給付に加えて1時間当たり1~2ユーロ程度の手当を受け取るという制度です。

【ドイツ、難民雇用の「1ユーロジョブ」制度…時給は130円】
【5月19日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)で、イラク難民のザイドさん(23)はスプーンとしゃもじを手に、グヤーシュ(ハンガリー風シチュー)とジャガイモがいっぱい入った大鍋のふたを持ち上げた。仕事のシフトの始まりだ。

 午後6時半から8時まで、ザイドさんはベルリン市に雇用され、スポーツセンターのホールに集まるシリアやイラク、アフガニスタン、モルドバ出身の難民152人に夕食の配膳を行っている。このスポーツセンターは、新たにドイツに到着する人々向けの緊急宿泊施設に様変わりした。

 ザイドさんはこのビーフシチューに何が入っているのか、いぶかしむような目で集まった人々に対して説明を試みていた。ザイドさんは「非常にドイツ的」なシチューだと言う。

 自転車の修理や植木の剪定(せんてい)、歩道の清掃といった業務をわずか1ユーロ(約120円)余りの時給で請け負っているザイドさんのような難民は数千人に上る。このいわゆる「1ユーロジョブ」制度は、ドイツの労働市場に新たに加わろうとする人々の足掛かりとなるとうたわれているが、識者らは以前からその有効性を疑問視している。

 食卓を整え、パンを切り、料理を皿に盛り、そして片付ける。ザイドさんの時給は1.05ユーロ(約130円)だ。就労が許されているのは週20時間までと制限されており、月給は頑張っても84ユーロ(約1万300円)にしかならない。難民申請の審査結果が出るのを待つ間、当座の生活費として支給される143ユーロ(約1万7600円)のわずかな足しになる程度だ。

~中略~

 アンドレア・ナーレス(Andrea Nahles)労働社会相は、難民向けにこうした雇用10万件分を創出すると約束。こういった仕事が、労働市場に参入していくための「トランポリン」の役目を果たすと説明している。

 同国RWI経済研究所の経済学者、ロナルド・バッハマン(Ronald Bachmann)氏はAFPに対し「難民がこういう形でなければ働けないことに鑑みれば、短期的には理にかなっている」と述べた。記録的な数の難民が流入していることに伴い、反移民のポピュリズムが台頭する中、「彼らに仕事をさせれば、良い政治的シグナルにもなる」と述べている。

 とはいえバッハマン氏は、この1ユーロジョブ制度が本来の狙いである長期失業者の再就職支援で功を奏してきたとは言えない点を指摘し「こういう仕事から学べることはほとんどなく、労働市場へ戻る一助になることはごくごくまれだった」と述べている。(c)AFP/Yannick PASQUET
(2016/5/19 AFP)

労働者のキャリア形成も見据えて長期的な雇用を獲得できるようにするための制度。
(このお題目って育成就労法とほぼ同じです)

このお題目だけは綺麗に聞こえますが、
実態は移民をただ同然で使い捨てにするような制度として
積極的に悪用されてきたと言っていいでしょう。

日本の経団連が求めている
外国人労働者を使い捨てにして利益を挙げる理想の経営を
ドイツは1ユーロジョブで実践したと言っていいのではないでしょうか?

移民を使い捨て労働者として悪用する事で
一部のドイツ企業が荒稼ぎししたようですが、
それでガンガン移民を増やした現在のドイツどうなっていますか?
移民の社会問題化が隠せなくなってきていると思います。

翻って日本を見れば
外国人技能実習生や外国人留学生名目で日本にやってきて
そのまま不法滞在にクラスチェンジし、
時に社会保障費をつまんで寄生したり、
時に犯罪組織を作って犯罪で荒稼ぎ。

組織的にいろんなものを盗んで金に換えているベトナム人だのは
まさにこの事例だと思いますし、

今川口に集まって社会問題化しているクルド人なんて
そこからさらに踏み込んで
日本の文化を尊重しようとせずに自分達の文化だけを尊重させようとし、
地方から政治を乗っ取っていこうとする。

そういう事をやっていると言っていいと思います。

犯罪を繰り返す悪質なクルド人の不法滞在者を強制送還したというのに
トルコ政府がまったく対処せず
強制送還されたクルド人はすぐにまた日本に来て犯罪を行い逮捕されました。

日本の外務省というお役所は
事なかれ主義で何もしない事ばかりを優先するため
トルコとのビザ免除も凍結されることなく放置されています。

日本から強制送還された犯罪者を
すぐに日本に入国させてしまうような
犯罪者の管理もろくにやらないトルコ政府との間で
ビザ免除を継続するのは正当な理由がありません。

日本が自国の被害を我慢してまで続けるのは友好とは言いません。
日本人のトルコ政府に対する印象が悪くなるだけなんですから。

事なかれ主義を最優先する外務省はこういうところを無視しがちです。

おっと、だいぶ話が逸れました。

では話をちょっと別の角度から書いていきましょう。

インド洋、マダガスカルから東に900kmほどのところにモーリシャス島があります。
オランダ、フランス、イギリスの植民地を経て、
1968年にモーリシャス共和国として独立しました。

植民地時代から精糖が主要な産業の典型的なモノカルチャー経済の国でした。

独立後には観光業に力を入れ、
また繊維産業を中心とする輸出産業の育成にも力を入れて
製糖業のモノカルチャー経済から脱出した国です。

繊維産業というのは雇用吸収力が非常に高い産業でもあります。
わかりやすい言い方をしましょう。
マンパワーが物を言う業界なので安い労働力の確保が威力を発揮します。

モーリシャスは島ですから
アフリカの内陸国などと比べて
船に乗せるまでの輸送コストがほぼかかりません。

しかも地理的にもアフリカにも欧州にもアジアにも展開しやすく、
中継地点としても優れているのです。

日本の遠洋マグロ漁業などもモーリシャスを中継・補給基地にしていたりするようです。

植民地という歴史的背景からフランス語、英語が話せます。
これも海外との取引に於いてアドバンテージとなります。

こうした有利な条件を背景にモーリシャスは積極的に繊維産業に投資し、
国の基幹産業の一つとして育てました。

モーリシャスは繊維産業の弱さ
(武器が安い労働力)
も理解していたようで、
他の工業の育成にも力を入れ
2000年代に入ると機械輸出も同国の大きな産業へと発展させました。

実にうまくやっていると言えます。

ちなみにユニクロや無印良品が
中共による不当な搾取的労働が指摘される
低価格を武器にした新疆綿に手を出して
積極的に新疆綿を売りにしようとしたのは
そのコスト的優位性によるところを狙ったものでしょう。

繊維産業において技術的な付加価値要素はあまりなく、
特にTシャツなどの型の決まったものなんて機械で作れますから、
材料費と人件費をいかにカットして安く仕入れて売るかが
ユニクロなどの経営の中心戦略でしょう。

いつも通り話が寄り道したところで、
繊維産業についてちょっと考えてみます。

繊維産業というのは、糸から成り立ちます。
糸を作るというところが実は最も重要な産業です。

生地も糸から作り出すのですからね。

人類は紀元前から長い間、糸を作るという作業は
手回しの紡錘(スピンドル)に頼ってきました。

英国は繊維産業が重要産業の国でした。

そしてその繊維産業において人件費の最も大きな部分を占めていたのが
手作業で糸を作っていた職人達でしたし、
なんなら女性達が家事の間に糸を作ってこれをお金に換えてもいました。

1人1人がスピンドルを回して地道に糸を作るのが長らく常識だったのです。

そんな中で18世紀後半にジェニー紡績機が発明されました。

1人の職人が一度に8個以上のスピンドルを回す計算になるのですから。
単純に8倍とか10倍とか、あるいはそれ以上の仕事量をこなしてしまうのです。

これにより糸の相場が下落していきました。
糸繰り労働者が仕事を失っていくことにも繋がりました。

ジェニー紡績機によって糸を作る作業の効率が一気に改善されたことで
旧来のマンパワーに依存したやり方で糸を作っても太刀打ちできなくなったのです。

こうして英国の繊維産業はその産業構造の根っこから変わっていくことになりました。

昨今、AIに仕事を奪われるなんて言っている人達がいます。

AIでなんとかできそうな部分は奪われるでしょう。
でも代わりに別の仕事が必要になるだけだと思います。

日本の今の経済界は人件費カットを自慢して
日経新聞で持ち上げられ続けてきたような経営者の集まりです。

経団連も亡くなった中西前会長だけが
会長室で電子メールのチェックをしていたようです。

中西前会長になるまで経団連の会長室にはパソコンの1台すらなく
秘書やら周りの人間に全部押しつけてやらせていただけなんです。

中西前会長は経団連の会長室に初めてパソコンを持ち込んで
電子メールのチェックを自分で行う初の会長となりました。

仕事は部下に全部押しつければいい、
電子メールのチェックだって人に押しつけておけばいい、
自分は新たな技術を理解しようとせずに部下に全部押しつければいい。

こういう先輩が幅を利かせるのが日本だと思います。
民間企業以上にお役所なんかの方がひどいと思いますが……。

この経団連会長室の件が
経団連のお偉方連中の程度をわかりやすく示していると思います。

日本が人口減少になっていくことはずっと以前から言われていました。

そうした中で相変わらず
「安い人件費で労働者を使い潰して捨てればいい」
としか考えない経営者どもが俺様達は偉い経営者様だぞと跋扈しているのです。

とくに十倉雅和会長は無能な人が肩書きと暇を与えられたらろくな事をしない
そんなのの典型に見えて仕方がありません。
ろくな根拠もなく夫婦別姓を導入しろとか言い出してますしね。
これだってその手のロビー活動を受けて
「俺様が歴史に名を残せるぞ!」
とでも思っただけのように見えます。

金もあって総理大臣という名誉も手に入れた鳩山由紀夫が
自分が政権を取った記念にデノミを行って紙幣を改めようとしていた話もあります。

【鳩山首相:政権発足後にデノミ検討、藤井財務相辞任で頓挫か】
(2010/3/19 日経新聞)

おっと、また話が逸れた……。

本来であれば日本の誇るロボット技術の積極的導入や
インフラ投資、機械化による効率化などをどんどん進めて、
低賃金労働の数によって押し切るような経営をやめていくのが筋なのです。

ですが日本では財務省主導による失われた30年のデフレ不況の間に
人や効率化への投資をカットして労働者を安く使い倒す経営者が跋扈し、
またそうした目先の数字しか考えられない経営者を
優れた経営者としてメディアが持ち上げ続けてきました。

今の経団連などの経済界は相変わらず
「もっともっと!労働者を安い賃金で使い捨てにさせろ!奴隷が足りない!外国人を連れてこれるようにしろ!」
とやっています。

かつてウォークマンを生み出したソニーでしたが、
その後著作権ビジネスにあぐらをかくようになり、
「いかに音楽を手軽に利用できないようにさせるか」
に力を入れました。

それで出てきたのがパソコンのCD-ROMドライブやCDプレーヤーを破壊する
CCCDなどのコピー規制技術でしたし、
インターネット経由で別途登録しなければダウンロードすらさせない、
ダウンロードしたものも最初から音質を下げてあるクソみたいな音楽販売でした。

そうやってソニーがウォークマンをヒットさせたころの精神を失って
いつまでも古い利権にしがみついて利益を得続けようと停滞を選び続ける中、
AppleはiPodを出してウォークマンの成功を再現し、
itune storeで音楽、動画の配信も巨大ビジネスとして成功させました。

新たな技術を理解しない、理解できない
そんな自分を正当化するために目と耳を塞ぎ続けて
「俺たち優秀な経営者だよな?」
と、お互いの傷をなめ合う経済界のお偉方のサークル
それが経団連だったり経済同友会だったりするように見えて仕方がありません。

技術革新や効率化を拒否して労働者を安く使い捨てる事しか考えない
今の日本の経済界が求める移民拡大政策なんてのは論外です。

目先の自分達の利益しか考えず
移民によって将来発生するであろうあらゆるコストを
日本と日本人に押しつけようという
クズの中のクズの発想なのですから。

奴隷確保ではない!育成就労制度だ!
などと本気で言うのなら
連れてきた外国人が帰国するまでの費用を
受け入れた企業達が全てあらかじめ積立てることを義務化すればいいでしょう。

人材を育てる、人材への投資という建前なんですから。

経済界と移民拡大と技術革新と