でも今からの話はどんな日本人にも
必ず当てはまります
必ずです




子供から大人まで合わせた
日本人の5人に1人
確実に認知症になる時代が
もう数年すればやってきます

自分の親戚合わせると
大抵自分含めて7人ほどになりますね
つまり
家族の1人に認知症の人がいる時代です。

他人事ではありまあせん
若年性認知症は40歳から64歳までに発症します
今自分の親は何歳ですか
私の親は50歳を迎えました



こんな世界になると言われている
少子高齢化の国、日本
来年か再来年、もしかしたら
今年中にでも認知症を身近に感じる時が
来るかもしれません



病気を少しでも知って
関わり方を理解していけば
あなたもその家族も幸せになれます
付き合い方がとても大切な病気です



そんな認知症の病気が
どれほど素敵かについて話していきます
実際に関わるとき
糧になればいいなと思います



私は認知症の患者さんと話すとき
いつも謎の笑顔を作ります
そしてマスク越しに笑顔で挨拶をし
楽しい会話の発言には声を出して笑います


そうするとしかめっつらだった患者さんも
「変な明るいやつが来たよ」
なんて思いながらフッと笑ってくれます

私はこれがミソだと思っています


認知症という病気は
基本的にいつも不安なんじゃないか
と思っています


今何時なのか
ここはどこなのか
なぜ看護師がいるのか
家族はどこなのか
隣のおばあちゃんは誰なのか
家族の迎えはいつなのか
これは食べ物のなのか


一つ一つに疑問を感じ
1分も経てば今までの記憶はほとんど分からない
また新たに不安が押し寄せ
目の前の介護者は呆れている
そして必要時には拘束具を付けられる



私は感情移入しやすいタイプなので
自分の親がこうなったら
自分の大切な人がこうなったら
はたまた自分がこうなったら
などと考えてしまいます


そうするとだんだん
この残酷な病気に勝ってやろうと思うのです


この病気を活用して
患者さんと目一杯笑って楽しんでしまえば
萎縮しようとしてる脳みそも
進行を遅らせざる負えない気がしちゃうんです


私は時間がある時は
患者さんを私から誘って病棟内を散歩します

たわいもない話ですが
その人の生活歴や価値観
を知れる機会です


年配の人にも私と同じ年代の時があり
今や私と同年代の孫がいる。

つまり私自身にも投影できるし
私の祖母にも投影できる。
そう思うと自分ごとのように
人生の最終章を最高なものにしてあげたい
と思えます




ある日、今まで私を
‘そこのお姉さん’
と呼んでいた患者さんが

「あんたのこと覚えてるよ、またきたね。
こないだは楽しかったよ」
と言ったんです



時間やその日によってもちろん調子は
違いますし、たまたまだったのかもしれません



でもこのときに
私とこの患者さんは認知症に勝った。
一勝したんだ
と思えたのです
変な表現ですが笑


たくさん笑いあい、記憶を保たせることで
安心してもらえる存在になれた
ということは
看護師として働いている私にとっての
誇りです


日々学びや成長を
誇り高い年配の方から学ばせてもらえて
本当に感謝です


そしてコロナで面会に行けない
入院患者さんのご家族の皆さんは
医療者が愛を持って看護しているのかと
安心してもらいたいです


つらいことや、大変なこともありますが
医療、介護は素敵だなと思える毎日に感謝です