幼い頃から
1番信じられない事は
母がいなくなることでした
それが現実となってしまいました
でも、
自分でも何故だかわからないほど
普通だったのです
哀しみで涙ばかり流す事もなく
辛くて辛くて仕方ない事もなく
普通に子育てをしていました
元気もあったし笑顔もあったし
周りから
大丈夫?と言われても
決まって答えるのは
「うん、大丈夫よ。お母さんが病気して苦しい姿を見てきたから、楽になれて良かったね、と思うから」
本当にそうでした
私は、お母さんが楽になれてよかった
お母さんがもう辛い思いをしなくなって済むんだ
お母さんは私のせいで死んでしまったんだ
母親としてしっかりしなくては
そんな風に思って過ごしていました
ただ毎日思いだされるのは
お母さんの苦しい顔
辛く痛そうな顔
私を恨んでるような顔
悲しい顔
怖い顔
居なくなった哀しみより
常にお母さんごめんね…
という気持ちが強かったと思います
それと同時に、
残された父の心配ばかりしていました
父もまた同じように
気落ちしたり
塞ぎこんでしまうような事はなかったのですが
元から義姉の事があまり好きではなく
近くにいる兄夫婦の事で
かなりストレスを感じ
私に毎日と言っていいほど
長電話で愚痴ってきていました
遠くに嫁いだ私としては
何と関係が少しでもうまくいかないか
その事でも頭がいっぱいになっていました
私は、あんなにお母さんがいないとダメで
誰より先に何でもすぐに母に相談し
子育てでも
いつも助けてもらい、救ってもらい…
そんな甘々な私が
母がいなくなっても
普通なのは何故だろう。
きっと
もうお母さんは楽になれたからだ
ホッとしたんだ
私、思ったより強いんだ
と勘違いしていたのかもしれません
そんな日々が
1年間続き
もうすぐ一周忌を迎える時…
1年前お母さんが余命を告げられ
倒れたあの日が近づく頃
私は突然
心と身体が崩れ落ちました
夜中に…
まるで
大地震が起きたかのような
自分の身体の異変
心の異変