父からの電話は
お母さんが起きない
看護師さんが朝の検温に来た時
呼びかけても
眠ったままだと…
すぐに検査に入りました
その時の原因は
血糖値が下がった
という事で
しばらくすると
目を覚ましました
私はホッとしました
ホッとしたのもつかの間
また父から連絡があり
最悪の事態だ
余命宣告を受けたよ
お母さんの前で…
肝臓に転移している
余命数ヶ月だって…
抗がん剤はもうできません
今後はどこで緩和ケアをするか
決めて下さいと
なんて冷たいんだろう…
全て信じてきた医者は、
淡々と母に説明をする
本人は
どれだけの衝撃を受けただろう…
初期ですよ
と言われ、
頑張って手術を受け…
抗がん剤をやり
治ったら大好きな孫達と遊びたい
ずっと単身赴任だった父と
退職後は車で日本一周旅行したい
やりたい事はまだまだたくさんあったはず
その日…
4月に母が病気してから
初めて母と連絡が取れなかった
いつも私の連絡を待って持っていた携帯も
どこに置いたかわからないほど
ショックだったんだろう
母はどんな気持ちでいたのだろう
強く前向きな母は
自分の人生が終わる
とは考えていなかった
父と部屋に戻った母は…
どうしようね…
一晩考えてみるね
と言ったそうです
父は家へ戻った
その一晩
母はどれだけ怖かったろう
心の整理なんてつくわけもない
次の日の朝
母は眠ったままだった
数値は悪くないのに
何故目を覚まさないのだろう
医者は首をかしげる
初期と言われて手術して
術後の経過があまりによくない
素人からしたら
手術が失敗したのでは
と思ってしまった
私は、お母さんが病気をしてから
毎日毎日
何か治る方法はないかと
ネットで検索しまくっていました
だからこそ
良い情報も、悪い情報も入る
良い情報を信じ、願って願って願って願って
でも、どんどん
私の調べた悪い情報へ母は進んでいく…
それが苦しかった
そして遂に恐れていた
余命という、
言葉。
春までは、あんなに元気に笑っていた
私の大好きな大好きなお母さん
小さい頃から母とずっと一緒だった
その母がいなくなる…
信じられない
信じたくない
悲しい
嫌だ
嘘だ
心で叫ぶ
父にも言いたかった…
でも、
一番近くで毎日お母さんを見てきて
一日も欠かさずお見舞いに行って
痩せていく母の姿を見ていたお父さんも
苦しいに違いない
そう思うと
何も言えなかった
私は主人と娘と一緒に
飛行機で母の元へ向かった
余命宣告をうけた夜からずっと
眠ったままだったけど…
私と主人と娘が着いた時は、何故か
目を開けてくれた
私はお母さんの姿を見て
びっくりした