術後、母は日に日に笑顔が増えていきました。
早く元気にならないとね‼︎と、
狭いHCUの部屋を歩行器でゆっくりゆっくり
歩く。
私の顔をチラチラみながらその度に微笑む母。
いつもの可愛い笑顔で何回もニコッと。
私が幼い時から大好きな大好き母の笑顔。


私も笑顔で返す。
心の中では泣いていた。
こんなに前を向いているのにお母さんのお腹に憎い癌が残ってる。
私はお母さんに嘘をついている事がとても苦しかった。

お母さんは未来しか見えていない。
私は、
お母さん、手術もできて術後の回復も順調で、
良かったね!
またみんなで楽しい事たくさんしようね!
と言いながら、心の中では
お母さんがいなくなったらどうしよう…
と弱い自分とたたかっていた。
そう思うたびに母の未来を、奇跡を信じて
あげられなかった自分に腹がたつ。

お母さん、ごめんね。

いつだって言いたかった
こんなに好きなのに
恥ずかしくて言葉にした事がなかった…
お母さん、大好き
お母さん、ありがとう
お母さん、いなくならないでね



もし言ったら
お母さんが、自分は悪いんじゃないかと
勘付いてしまう。

だから心の中で
何回も何回も叫ぶ