ワシ:ソナタ…相当に堪(コタ)えておるようじゃの。そんなにも辛(ツラ)かったのかの。

ミコト:ハハ…それは大袈裟(ゲサ)だ。だが…流し目すら寄せられていない気もするな。

ワシ:カカ…正直者で小心者か…秋波はこちらから送るモノではないのかの。

ミコト:そのようであったな。得心したからこそ…心を砕(クダ)くことに決めた。

ワシ:中々得られず…それを才能と諦(アキラ)め…自分には無縁と投げ捨てておったの。

ミコト:あぁ。剰(アマツサ)え…卑(イヤ)しいこととバカにまでしてな…。

ワシ:それでは袖(ソデ)にされようの…兎(ト)にも角にも…向き合わねばの。

ミコト:あぁ。才能の有無などどうでもいいな…キット取りつく島はある筈だ…と信じたい。