私には
もう20代からの付き合いの、
男性の親友がいます。


今日、
仕事の用事で駅に行き

行くか迷った駅ビルの中の
本屋さんに立ち寄りました。




悩んで悩んで

本を手に取り
振り返ると

そこに、その親友がいました。


 え…!?

この親友とは、本当にこういった
奇跡の様なタイミングで会う事が多くて

驚くのだけれど
驚かない、みたいな(笑) 

会う事が分かっていたかのような
そんな、とても不思議な気持ちになります。




彼は、文房具の
ノートやアルバムのコーナーにいて

「こんな所で会うなんてありえないね!(笑)
何を買いにきたの?」と聞くと

「エンディングノートっていうか、
メッセージノートみたいな(笑)」
「それを買いに来たんだ〜」と言いました。

「もう、ダメみたいなんだよね」



彼は、数年前からガンと闘っています。


この前、辛い手術が終わったばかりなのに

膵炎(すいえん)になり、
肺にも沢山転移していて
他にもあって…と話してくれました。

そして、【余命半年】を告げられた事も
話してくれました。


「やりたい事とかは、特に色々思い浮かんだりはしないんだ。ただ、漠然と嫌だなって感じ。苦しんで死にたくはないって思うだけかな」

「そうなんだね…もう余命半年って分かったなら、好きな事やろう!好きに生きてやろう!って、気持ちが振り切れる事はある?」

「あるよ〜そういう日もあるって感じかな。」

「あぁ、そうだよね〜!」

「周りに、お前まだ生きてるのかよ!って
言われるのが俺の夢なんだ!(笑)」

そう笑って話す彼。


「うんうん!そうだよ!〇〇(彼の名前)さんは、長生きしそうだわ!!」

と、そこに彼のお母さんが来ました。

彼のお母様には、話には聞いていたけれど
初めてお逢いしたので、

「初めまして。長い付き合いの友人です」
自己紹介をしました。


彼と、前にカフェで語り合った時には

お母さんに関して

「身の回りの世話を色々やってくれるのに、なんか照れ臭くてありがとうも言えないし、逆に強く言っちゃったりしてさ。後悔してるんだよね」

と言っていたので、

「お母さんと来てるんだね!なんか嬉しいよ」

 と言うと

「そうだね。母親を
置いていくことになるからね」

「ん?どこに置いていくの?」

「この世にだよ。俺が先に逝っちゃったらさ、
やっぱり可哀想だなって思うから。」

「今のうちに、生きてるうちに
優しくしようって思ったんだよね(笑)」

そう、照れ笑いしていました。


彼のお母さんに、
「この前、〇〇さん、お母さんに優しく出来なくて後悔してるって言ってましたよ…(コソコソ)」とそっと告げ口(笑)


お母様は、

「本当かしらね〜ふふふ
そうだと良いけどね(笑)」
 
って、笑っていました。


「明日から抗がん剤でさ、
髪の毛も抜けるらしくて」

彼も、少し弱音を吐きたかったんだろうな


でも、彼から出てる雰囲気は
なぜかとてもいきいきしていて

前にあった時よりも
なぜか元気に感じました。


彼もその事について
「それ、みんなに言われるんだよね〜」
と、不思議がっていました。




私は、

彼が何を言ってきても
動じません。

動じずに、今までの私達の関係を続けます

今までと同じように彼に接し
今までの様に明るく冗談を言って
至って普通に話をします。

死 についてもそうです

「逝くならコロっと逝けたらいいよね〜」
って、
笑って話します。

「本当だよー!寝ててそのままとかさ!」
って、2人で笑うのです。


いちお言います。

「ごめんね!失礼な事言って(笑)」

と。

いちお…ね(笑)



彼は笑いながら

「いや、良いんだよ!本当!むしろそれが嬉しいんだから!美琴はいつも元気をくれるから。俺がどんな状態でも、態度を変えない。それが良いんだよ。それに俺は救われるんだから。」

と言ってくれた事があります。


彼がガンでも
死が近くても

私はこの人に対する
見る目を変えない。

それが私の愛です。




「本当にうちらって
凄いタイミングで出逢うよね」

2人で笑い合いました。


「そろそろ美琴、くるんじゃねーかなって
思ってたら本当にきたわ!!(笑)

「美琴も、そろそろ〇〇さん
と会うと思ってた!」

そんな事を言い合う2人。


彼に、ちゅんちゃん(韓国人の彼)との
結婚の報告もしました。

「良いじゃん良いじゃん!!いや〜
人生本当、何があるか分からないな〜!」
と、とても喜んでくれました。


彼は、私の運命の人なんだと思います。

恋人ではないけれど

なんか特別な人。


《男女の友情》は

私の場合、ここにひとつだけ
成立しています。


きっと彼の
命の灯が消えるまで


私は彼と縁が続くと思います。





なんでも話せる彼。

どんな事でも話せる彼。

私よりかなり歳上なのに
本当に親友で、

お互いの人生の節目節目で
出逢ってきた彼。


常に連絡を取り合う事はないけれど


なぜか何度もバッタリ会う、不思議な人(笑)


綺麗な意味ではなく
本当に

彼とは何かあるんだろうな…。


そして、彼と話していた時に
私のイメージで出てきたのは
彼が亡くなった時の顔。

それは彼には言わなかったけれど

とても穏やかな顔をしていました。

だから大丈夫だと思う。
怖がらなくて。


彼が生きている間

また、カフェかどこかで
沢山の話しをしたいな。


今日も、あなたが生きている奇跡に
ありがとう。



美琴



今日食べたお昼ご飯が
やたら可愛かったり(笑)



たまたま停めた駐車場のナンバーが

大切な友人の誕生日でうれしくなったり




心ではココアを飲みたいって思ったのに、カロリミットスパークリングを頭で選びそうになって、でもココアをちゃんと選べた幸せとか




気温が、大好きな数字の【33】なこととか



本屋で元気な店員さんに「元気ですね〜!」って声をかけて、少したわいもない会話が出来て
「元気が出ました。ありがとうございます。」
と伝えられた事とか。


今日も
幸せだった。

幸せなんて
こんなもんで良いんだ

それは放るような
適当さではなく

にっこり笑って
ほほえんでいられる

幸せな最低ラインなんだ。