「なまえ」 | ≪ ひつじになりたい さる ≫

≪ ひつじになりたい さる ≫

内容は ないよう・・・



もう 何十年も 前の おはなし ・・・


ぼくの 中学の時の 同級生に
「○○ 剛裕(たけ ひろ)」くん
という 小柄な 男の子が いた ・・・


ある日 ・・・

彼が じぶんの 「名 前」 を 書く時に

「剛 裕」 の 「裕」 の 字の 
「左 側」 の 「衣へん」 を
「示へん(ネ)」 に 「変えて」 
「書いて」 いること を 「発 見」した ・・・


*ちなみに こんな 感じ(漢字)  「裕」 → 「ネ谷」


ぼくは 「不思議」 だったので ・・・

「どうして 裕の 字の 「衣へん」を 
「示へん」 に してるの ?」

と 彼に 尋ねたら ・・・


「 お母さんが 姓名判断 の 人 に 
ぼくの 名前を 観てもらった ら ・・・

「裕」 だと 画数が 悪い から 
「ネ谷」 に しなさいと言われた ので
それから 「こ う」 書いて いるんだ ・・・ 」

・・・ と 軽い 笑みを 浮かべながら 
答えて くれた ・・・





「事 件」 は 
それから 数ヵ月後 に 
「おきた」 ・・・


「国 語」 の テストを 返してもらっている 
まさに その 時 ・・・

突然!  「剛 ネ谷」 くん が

「 先生! テストの 採点が 間違って います!
3点 足りませんので 直してください!! 」

・・・ と 「大きな声 で 抗議」した ・・・

一瞬 教室中に 「緊 張」 が 走った !


一呼吸 置いて から ・・・


国語 の やまざき先生 は
とても 「静かな」 口調で ・・・


「 あなたは 
ご自分の お名前の 漢字を
間違って 書いて おられました ので
3点 引かせて いただきました ・・・ 」

・・・ と 言った ・・・


当然  「剛 ネ谷」 くんは
ぼくに はなしてくれた 「理 由」 を
やまざき先生 にも
「丁寧 に 説明」 していたが

「定年間近」 の 
「国 語」 を 「愛して やまない」
やまざき先生 を
「説 得」 できる 「は ず」は なかった ・・・



ぼくは 
このとき はじめて 

「社会 の 厳しさ」 の 一端 を 垣間見た 

ような  気がした ・・・





彼とは もう 30年以上 会って いないが 
きっと 今でも

「良い 画数 の 名前」 の 「おかげ」


とっても
「幸運 な 人生」

を おくって いる 

こと  だろう ・・・