宙組
東京宝塚劇場公演
ミュージカル
『NEVER SAY GOODBYE』
ーある愛の軌跡ー
作・演出:小池修一郎
作曲:フランク・ワイルドホーン
1936年
ナチス政権下のドイツ
ベルリンで開催される
オリンピックに対抗し
スペインバルセロナでは
人民オリンピックが開かれる
取材に訪れた
人気写真家のジョルジュは
アメリカ人の劇作家
キャサリンと
運命的な再会を果たし
二人は恋に落ちるが
やがてスペイン内戦に
巻き込まれ···
初演は2006年
宙組
当時のトップコンビ
和央ようかさん
花總まりさんの
退団公演の為に
作曲家ワイルドホーン氏と
演出家の小池先生との
コラボにより作られた作品
この公演で
初舞台を踏んだのが
現トップスター
真風涼帆さんという事で
16年ぶりの再演と
なるわけですが
30年以上の観劇歴で
ほぼ本公演は
どの組もまんべんなく
観劇して参りましたが
この初演は
観ておりません
正直この時期
宙組の長期トップコンビに
辟易していたところがあって
(特に花ちゃんは
ミーミルで抜擢されて以来
もういい加減食傷気味
どんな素晴らしい娘役だとしても
貴重なトップ娘役の座を
こんなに長く一人占めするのは
如何なものかと
そのせいで何人の娘役が
トップになれないったか···)
敢えて
宙スルーしておりました
今回初めての
Never Say Goodbye
新鮮な気持ちで観劇しました
先ずは
やはり何と言っても
楽曲が素晴らしい
そしてその楽曲を生かす
出演者の歌の力
生徒さん一人ひとりに
"コーラスの宙組"の
プライドのようなものを感じ
ミュージカルを観たという
満足感を味わいました
ストーリー的には
今の世界情勢に
重なる部分も多く
初演を観ていないので
当時の感覚はわかりませんが
おそらく観た人すべてが
16年前よりも
より深く作品の本質を
感じさせられ
考えさせられたのでは
ないでしょうか
ジョルジュの
ゆりかさん(真風涼帆さん)
もうとにかくカッコよかった
序盤のスーツ姿の
女ったらしっぷりから
後半の戦場での
ワイルドで硬派な男っぷりまで
どこからどう見ても素敵過ぎ
タカちゃん(和央さん)が
どんな感じだったのか
わからないけれど
ゆりかさんのジョルジュは
見た目だけではなく
その生き様が伝わる
本当にいい男でした
キャサリンの
かのちゃん(潤花さん)
歌は苦戦したかな
当て書きの新作であれば
それなりに歌える様に
作ってもらえるけれど
今回はなかなか難しかった
でも気が強く美しい
アメリカ女の雰囲気は
似合ってましたし
ジョルジュが惹かれるのも
納得出来る
キャサリンでした
ヴィンセントの
キキちゃん(芹香斗亜さん)
マタドールの衣装が
お似合いでした
苦悩しながらも
祖国の為に闘牛を捨て
戦う事を選ぶ姿
愛する女性へ向ける姿
ジョルジュとはまた違う
カッコよさ
劇中のヴィンセントとして
歌う歌も
フィナーレでの
Never Say Goodbyeも
どちらも気持ちが込もっていて
キキちゃんの歌声は
心に響きました
ゆりかさんがいない場面
(フィナーレ含め)では
もうトップスターにしか
見えなかった
熟れすぎちゃって
収穫前に木から
落ちてしまわないか
ちょっと心配···
アギラールの
ずんちゃん(桜木みなとさん)
オーシャズのベネディクトの時は
シャカリキに
頑張り過ぎな感が
ありましたが
アナスタシアや
ホームズ等での
おじさん役を経て
今回のアギラールは
ベネディクトと同じような
テンションでも
見た目だけではない
中身が表現されていたように
感じました
また常に隣にいた
ハッチさん(夏美ようさん)の
醸し出す存在感が
ずんちゃんアギラールにも
良い影響をあたえ
演技に
迫力と厚みが増したように
思います
エレンの
じゅっちゃん(天彩峰里さん)
もともとキュートな
顔立ちのじゅっちゃん
衣装や髪型のせいか
高慢なハリウッド女優にしては
可愛らしい雰囲気で
ゆりかさんと並ぶと
少し幼く見えてしまったような
もう少し大人っぽいビジュアルが
欲しかったかも
その他
同じく初演が初舞台だった
まっぷーさん(松風輝さん)の
この学年だからこその演技
人民オリンピック選手達の
熱い芝居
市民達の
歌とダンスの熱量
全てが素晴らしかった
そして
フィナーレナンバー
マタドール姿で踊る
男役群舞
ここでの個人的
一番の萌えポイントは
ゆりかさんがキキちゃんに
マント()を投げ渡すところ
この時の二人の表情に
キュンです
もうこのバッディ感ったら
たまらない
そこからのマント
グルグル
最高でした
デュエットダンスは
はじめから
ラストのキメポーズまで
全て美しかった
男役群舞とはまた違う
ゆりかさんの
しなやかな色気に
ウットリ···
かのちゃんと組んでから
ゆりかさんの男前度が
更に上がった気がする
本編は
ミュージカルとしての
感動はあるものの
世情的にも
重い気分になってしまうのが
正直なところ
でも
このフィナーレによって
救われる
現実世界にも
救いのフィナーレを
星組の大劇場公演が
コロナで休演となり
まだまだ
コロナ禍真っ只中である事を
突き付けられる中
この素晴らしい公演が
無事に東京で
完走出来ました事は
本当に奇跡のようです
宙組の皆様
お疲れ様でした
千秋楽おめでとうございます