口笛はなぜ遠くまで聞こえるの?
知るか。ヨデンです。
夏ですね。
近々お祭りがあるのか、出先の駅近くでちょうちんが吊られていました。
もう何年もお祭りなんていってないですね。
正直、煩わしいとさえ思っていたイベントですが、歳をとってきたせいか、今無性に行きたくなってます。
小学2年の頃、金魚掬いで得た金魚をおかんが突然「こいつをデカく成長させる」息巻いて、トップブリーダーぶりを発揮し出したのは良い思い出です。
何で行かなくなったんだろうなぁ…。
それはさて置き、団体でリレーブログをする事になりました。
僕のお題は『バターナイフで塗りたくる』です。
みんなに上手く繋げられたら幸いです。
では、ご覧ください。↓
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ひどく猫背で深めのフード被ったその男は、今日もそのドス黒い渇きを癒すため、まるで1本の絹糸に引っ張られるかのようにゴミが散乱する路地を歩いていた。
男の名は、マーマレード仁。
甘くて苦いこの男は、常人では到底正気を保っていられないような血生臭い環境に身を投じて酔いしれる、生粋の狂人である。
そんな彼が立ち止まった先は、蔦が血脈の様に張り付いたカビ臭い雑居ビル。
刺すような太陽光に滴る汗を拭いながら、心が光悦に包まれる瞬間を今か、今かと待っていた。
今の彼と目が合ったおおよその人間は、ザクロを潰されたような感覚に陥るだろう。
それだけ彼の体からは禍々しいオーラが放たれていたのだ。
辺りの空気が嫌な湿り気を帯び始めた頃、ついにその時はやって来た。
「一名様ですか?」
「ああ。」
仁はしげしげと、扉から出てきたスーツ姿の男に答えた。
男のスーツの左肩辺りがうっすら汚れているの横目に、仁は部屋の奥へとその体を運んでいく。
1分ほど歩いただろうか…。
また、扉…。
ドアノブをしばらく見下ろした後、仁はゆっくりその扉を開けた。
彼の前には、何人もの男達がギラギラと銀色に光る物体を雄牛ほどのサイズのフランスパンに向かって、一心不乱に振り回すという異様な光景が広がっていた。
ある者は暴力的に、またある者は優しく愛撫するようにフランスパンの輪郭をなぞる。
仁は胸ポケットからタバコを一本取り出した。
慣れた手つきでマッチに火をつけ、たちまちのうちに彼の顔は煙で揺蕩う。そして深々と一息、そのホワイトを飲み込んだ。
「今日はいかがなさいますか?」
薄ら笑いを浮かべた老人が彼に尋ねる。
老人に顔を向ける事なく、仁は答えた。
「マーマレード。」
「かしこまりました。」
しゃがれた声と同時に差し出れたのは、桐の箱に入った1本のバターナイフ。
仁の目線はある一点を見つめ、決してブレることはない。
刹那、上着を勢いよく宙へと舞い上げ、くわえ煙草に、仁はそのバターナイフを手に取った。
第壱話『バターナイフで塗りたくる』












