積極的な行動に出たのは、義母の母でした。
義母の母は孫夫婦との関係がこじれてしまったこと、ひ孫に会えなくなってしまったことを義母と同様嘆いていたのです。
そして自分の夫(義母の父)がルイーゼを責めたことが関係亀裂の引き金になったことにも心を痛めていたのでした。
ある時、義母の元へ訪ねてきた義母の両親。
(この当時、義母の両親は二人とも70代後半。)
夫や私、息子も一緒に食事をしていた時、ふいに、義母の母が口を開きました。
義母の母「私、この後次男とルイーゼの家に直接行ってチャイムを押して、話してくるわ!」
夫と私「え!?今から?アポなしで?」
義母の母「うん。だって電話しても出てくれないし、こうするしかないでしょう。何も話せずにこのままっていうのは耐えられない。」
私「お義母さんとおじいちゃん(義母の父)も一緒に行くの?」
義母「私は行かないよ。そんな勇気はないし、私は行くべきではないと思う。でもお母さんがどうしてもそうしたいならしたらいいと思う。」
義母の父「自分は車で送っては行くけど、一緒に話に行くつもりはない。」
夫「・・・そう・・・わかった・・・」
私は内心心配でしたが、義母の母の決心は固かったので見守ることにしました。
こうして義母の両親は次男の家へ向かい、義母の母はチャイムを鳴らしました。
ピンポーン
ドアを開けて出てきたのはルイーゼ
そこに立つ義母の母を見て
ルイーゼ「・・・ビックリした。まさかこんな不意打ちみたいな・・・」
義母の母「久しぶり。急にごめんね。少し話したいと思って。」
ルイーゼ「・・・今子供達が昼寝をしたところで、次男も仕事で出てる。私も少し横になろうと思ってたの」
義母の母「時間は取らせないわ。少しだけでも話せる?」
ルイーゼ「・・・じゃあ玄関で」
そこから義母の母は、結婚式のタイミングで自分の夫が水を刺すようなことを言ってしまったことを詫び、次男とルイーゼを責めるつもりはなかったのだと話しました。
それに対して
ルイーゼ「あなたがそう言ったとしても、私を責めた義母の父はそう思っていないでしょう?」
と、答えるルイーゼ。
そして、話は義母のことに及び・・・
義母の母「これまでに色々とあったと思うけれど、義母がアナタやアナタの娘たちを心から思っていることは分かっているでしょう?全て彼女が悪いって言える?」
ルイーゼ「思ってくれてるのはもちろん分かるけれど、義母はもっと自分の行いや考えを反省するべきだと思うわ」
←これを聞いた夫と私『アンタがそれ言うんかーい』と思わずツッコミ
結局義母の母とルイーゼの話し合いから、何かが前進することはありませんでした。
この後も義母の母がひ孫にプレゼントを送ったり連絡を取ろうとしても、次男家族からの反応は全くありませんでした。
ただ、義母の母にとっては顔を見て直接話すことができたということで気持ちが少し落ち着いたようです。
その次の年の秋、夫の妹が次男が店長を務めるカフェで誕生日を祝っていました。
次男はカフェの奥で働いていて、私たちのテーブルに来ることはなく、義母と話すこともなかったものの、ドリンクや誕生日用のケーキを準備してくれていました。
妹の誕生日会には義母の他、夫や私、三男や義父も集まっていました。
みんながいるのを見て思うところがあったらしく、やめればいいのに義母はルイーゼにメッセージを送りました。
義母『今、次男のカフェで、みんなで私の娘(妹)の誕生日をお祝いしているの。もし気が向いたらあなたも来てみてね。』
ルイーゼからすぐ返信が来ました。
ルイーゼ『招待ありがとう。でも今日はアナタの誕生日ではなくて、妹の誕生日でしょう。妹が呼びたい人を呼ぶべきであって、アナタが勝手に招待するべきじゃない。私は行かないわ。』
義母『娘(妹)は誰も自分で招待していないよ、みんな娘がここで祝うと直接、もしくは他の家族から聞いて知って自ら集まってきたの。家族ってそういうものでしょう。』
ルイーゼ『アナタが言いたいことは分かる。でも私は自分の感覚を信じるわ。』
・・・またも裏目に出る義母の行動・・・
義母「この『自分の感覚を信じる』っていうのが私にとって典型的なルイーゼの文言だわ」
と義母はつぶやいていました。
そしてクリスマスが近づいていた頃。
義母は元々、クリスマス時期に飾るキリスト降誕場面の人形セットを持っていました。
それらは誕生したイエスキリスト、聖母マリア、動物などから成り、全て手作りの木彫りの人形たちでした。
この人形セットを義母はルイーゼに頼まれて貸していたそうです。
しかし、関係がおかしくなってからも、義母の元に返してもらえていませんでした。
考えた末、義母はルイーゼにメッセージを送ることに。
義母『こんにちは。降誕場面人形セットについてなんだけどね。あれは元々、新婚時代から私が何年もかけて集めてきたもので、私にとっては沢山の思い出がつまったものなの。使ってもらってててもいいけれど、私にとってとても大切なものであるってことは分かっていて欲しい。』
しばらくして、ルイーゼから返信が来ました。
ルイーゼ『正直・・・呆れて言葉もないわ・・・。もう、アナタに送り返した方がいいと思うから、そうするわね。じゃあ。』
・・・なんでそうなる・・・ルイーゼ!
そこは・・・今まで借してくれててありがとう。返してなくてごめんね。
じゃないの!?
噛み合わない二人・・・
ルイーゼにとっては義母に嫌味を言われたと感じたのでしょう。
義母に大丈夫かと聞くと、
義母「まあ・・・ね。でも、いいのよ、借りたものは返す。これは家族内でも当然だし、今まで借りたまま全く連絡をしてこなかったのに私も思うところがあったの。彼女も少しは罪悪感を持つべきなのよ。」
こうして人形セットは義母の元に送り返されてきました。
でも義母は、次の年にまたルイーゼに『人形セット貸そうか?』と連絡していました。
こういうところが、義母強し。
私だったらもう連絡取れない。
そして夏がやってきて。
ある日、義母と話していると
義母「そういえば次男家族、今年南イタリアにバケーションに行くらしいわ。10日間。」
夫「え!?そうなの?10日間も。今もうそんな金銭的な余裕・・・あるの?」
義母「余裕はまだないみたいよ。店長といってもそんなに給料は高くないみたいだし・・・元夫(義父)が出すらしいわ」
夫と私「え!?」
そのやりとりはこんな感じだったそうです。
義父は次男カップルが結婚した時、結婚のプレゼントとして新婚旅行代をサポートすると言っていたそう。
でもそれは披露宴をした時のプレゼントにしようと思っていたそうです。
しかし、私の予想通り、二人は披露宴をすることもなく・・・
そんな折、ルイーゼから義父にメッセージが届きました。
ルイーゼ「ハロー。突然だけど、結婚の報告をした時に、新婚旅行を支払ってくれるって言ってたじゃない?あの約束、まだ生きてる?私たち、もう4年以上しっかりしたバケーションに行けてなくて。子供たち連れて今年は南イタリアにぜひ行きたいの。助けてくれると嬉しいわ」
これを聞いた夫と私・・・絶句。
これまでに、義父には生活費などを散々払ってもらっていたのに。
まずは自分たちの生活を整えてから旅行うんぬんしなさいよ・・・
しかもイタリアって・・・家族の思い出作りならドイツ国内で1泊2日とかでも十分でしょう。もしくはキャンプとか。
ルイーゼもそんなにバケーションに行きたいなら、働きなさいよ。
とイラっとする夫と私。
確かに義父は結婚祝いで払うと言っていたそうですが・・・
それを義父におねだりできるルイーゼがすごい。
次男はどう思っているのか・・・
結局義父は『孫のため』とイタリア旅行代をサポートしたそうです。
どれだけの値段を支払ったのかは知りません。
次男のカフェでは三男もアルバイトとして働いていました。
そのため、当時は三男が最も次男と直接交流を持っていたと言えます。
三男に会った時に夫と私は聞きました。
次男とどう?と。
三男「うん、なかなか店長としてやっていくのは大変みたい。でも次男とは僕がする仕事のこと以外はほとんど話さないし、実際次男がどう思っているのかよくわからない。」
夫「そうか。じゃあルイーゼのこととかも話には出ないんだ。うまくいってるのかな、家庭は」
三男「さあね。ああ、でもそう言えば、この前よく分かんないことになったよ。二週間前の日曜日、僕がシフトに入るってなってたんだ。僕が入る時は次男は休める。レジ締めを次男以外でできるのは僕だけだからね。でもその日、僕がどうしても入れなくなって次男に別の日とシフト代わってくれって頼んだんだ。次男は『いいよ』って。だから問題ないと思ってたんだけど」
私「どうしたの?」
三男「ルイーゼからメッセージが来てね。『こんな急に休むなんて、ありえない。おかげで次男が働かないといけないじゃない。次男はそれでも働き過ぎくらい働いてるのに。家族の時間だって取れてない!』ってさ。僕はなんでルイーゼから非難されないといけないのか全くわからなかった。だから『次男と話してシフト交代したんだ。そんなに次男を休ませたいなら、自分のお母さんに子供預かってもらって、ルイーゼが日曜日に働いたらいいじゃない。自分だってカフェで働いてた経験あるんだからできるでしょう』ってね。」
夫「そしたらなんて返ってきたの?」
三男「『私はその日曜日、予定があるから無理なの』って。」
夫「なにそれ。つくづくツッコミどころ満載だね」
三男「正直、僕はルイーゼのことはどうでもいい。次男に仕事やシフトのことで言われるのは分かるけど、彼女から言われる筋合いはない。もうスルーしたよ」
夫「それがいいよ」
それからまた約2年が経って・・・
義母、義母の両親と次男家族の絶縁状態は続いていました。
夫や私は義母の家に遊びに行くたびに、同じ街に住んでいる次男家族に連絡をとろうかと頭をよぎりますが、息子と楽しそうに遊ぶ義母の姿を見ていると、『じゃあこれから次男家族に会いに行ってきます』とは言いづらく。
私たちにも、次男夫妻には思うところがありました。
例えば・・・
次男の子供に誕生日プレゼントを送っても何の連絡もないこともある。『届いたよ』とか『ありがとう』もない。
そもそも夫が昔からルイーゼのことを好きでない。
会っても義母の話などができないので、会話に気を使う。
そういった理由からも、積極的に会う努力をこちらからはしませんでした。
でも夫も私も基本的には次男と娘たちのことは好きなので、たまーに連絡をとったり、一年に一回ほど会ったりもしていました。
会うと表面上は楽しいのですが、これまでのことを思うと複雑な気持ちは変わりませんでした。
絶縁状態から約3年。
あの方達の我慢の限界が来ます。
ある夏、義母の両親が義母のところへ来ていました。
夫や私、息子も義母の家へ合わせて行き、三男や妹も加えてみんなで食事をしていると、義母の母が口を開きました。
義母の母「私、この後次男とルイーゼの家に直接行ってチャイムを押して、会いに行ってくるわ!」
ん?3年前のデジャヴかな?
義母の母「もう3年よ。ずっとひ孫に会えてないもの。電話も出ないし、直接行くしかないわ。あなたも一緒に行くわよね?」
聞かれた義母の父「うん・・・まあ、じゃあ行こうか」
私は正直止めたほうが・・・と思っていましたが、義母の母の決意は固く。
その時に一緒にいた三男が言いました。
三男「・・・じゃあ僕も一緒に行こうか?僕が行けば次男も避けないでしょう」
義母「それがいいわ。三男も一緒に行った方がいい。」
義母の母「分かった。じゃあ連れてってちょうだい。ありがとう。」
こうして三男は80歳近い祖父母を連れて次男の家へと向かいました。
家に着くと、家の前の駐車場で次男夫妻の娘2人が遊んでいたそうです。
まずは三男が車を降りて話しかけました。
三男「二人とも、こんにちは。お父さん(次男)はいる?」
長女「家にいるよ」
車から義母の両親が降りてきたのを、不思議そうな顔で見る姉妹。
三男「二人のひいおじいちゃんとひいおばあちゃんだよ。お父さんと少し話せるか、上がってもいいか聞いてきてもらえないかな?」
長女「分かった!」
家に入った姉妹。数分して長女だけ外に出てきました。
長女「今、お父さん、シナモンロール焼いてて手が離せないから無理だって。」
三男「シナモンロール・・・時間は取らせないんだけど・・・少し出てきてもらうのも無理なのかな?」
長女「もう一回聞いてくるね」
しばらく経ったのち再び出てきた長女
長女「無理だって!」
三男「・・・そう・・・分かった」
三男からそれを聞いた義母の両親は何も言わず、再び車に乗り込み、義母の家に戻ってきました。
しばらくしてから、三男から夫にメッセージが来ました。
三男『あの後、次男からメッセージが届いたんだ。お母さんには見せたけど、おじいちゃんおばあちゃんには見せてないし、見せられない。』
次男から三男に届いたメッセージを三男が夫に転送してきました。
『あの二人(義母の両親)を連れてくるなんて、最悪のアイデアだったよ。今、娘達泣いてる。僕があの二人と距離を置いているのは、今回みたいに僕たちのプライベート領域にズカズカと入ってくるのが嫌だからなんだ。もう二度とこんなことしないで!』
これを読んだ夫
夫「信じられない・・・昔の関係を知っているから尚更。次男がこんな風におじいちゃん達のことを思ってたなんて」
私「てか、なんで娘達が泣いてるの?両親の機嫌が悪くなったから?」
夫「それしかないんじゃない・・・きっと次男とルイーゼがおじいちゃん達が来たことを怒ったからじゃない?」
結局義母の両親に、次男から送られてきたメッセージは見せませんでした。
あの高齢の二人には酷すぎる、と。
でも、義母の両親は義母に
義母の両親「もう今回のことで、向こうが全く私たちに会いたくないっていうのは十分分かった。もうこんな風に会いに行ったりしないよ」と言っていたそうです。
後に、この時の出来事を児童精神科医をしている友人に話しました。
友人「・・・難しいね。私が気になったのは、次男は自分が直接断りに行かずに、長女に断わりに行かせたんでしょう?子供をそういった伝言役に使うべきじゃないと私は思う。」
私「そうか・・・そうだね。これまでも、ルイーゼは、義母と喧嘩した時に子供を義母に会わせないとか、次男と喧嘩した時に子供を連れて行かせないって行動をしたこともあったんだ」
友人「ありえない。」
と、バッサリ。
全くよくならない義母、義母の両親と次男家族の関係。
義母「もう本当にこじれちゃったなあ・・・結婚式の件に関しては、私の父がルイーゼを怒ったのが決定打でもあったじゃない?でも私も一緒に罰を受けてるのよね・・・私の父はね、私が産まれた時に、『この子(私)のことを一生かけて守るんだ!』って誓ったそうなの。父は、今でもその誓いを守って、私を守ってるのよ」
と悲しそうに苦笑いしていました。
しばらく経って、夫の元に義父から連絡が入りました。
夫「・・・次男がカフェを辞めるらしい。」
私「え!?もっといい仕事見つかったとか?」
夫「いや・・・次は決まってないって」
私「じゃあルイーゼが働くとか?」
夫「いや・・・その予定も今はないみたいよ」
・・・子供2人抱えて・・・どうするのよ。。。