あなたは、チューリッヒの丘の上に立つ大学の構内のベンチに座り、リマト川沿いに広がる古い街並みを眺めて
いる。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
ベンチにずっと座ったまま、
ひたすら、時間が過ぎていくに任せ、
歴史のある街を眺めている。
3月の始めのチューリッヒ、春の訪れはまだ先で、雪がちらついてきた。
チューリッヒに来る予定はなかった。
ジュネーブでパスポートと財布を盗まれ、
バルセローナへと向かう他の人たちと別れたのが、おとといのことである。
異国で一人で、面倒な手続きを済ませ、
ナリタへ戻る便に乗るため、チューリッヒへと移動してきたのだ。
「...で、僕に、どうしろというの?...」
おととい東京にかけた電話の向こうで、彼は抑揚のない声で、そう言った。
...
心が帰るところは、本当は、もうないのだ、少し前から...。
あなたは、何時間も、高台のベンチで、街を眺めていた。
重たい雲の合間から、薄日が差し、雪は、ちらちら降り続けている。
あなたは、何かに囚われたかのように、立ち上がる力もない。
じっと眺めているのだが、何も見てはいない。
...
...
翌朝、まだ暗いうちに、寒さで、ホテルで目を覚ました。
窓の外に何気なく目をやると、
外は、一面の白色に覆われていた。
あなたは、白色の真新しい雪に足を踏み入れ、駅へと歩いていく。
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冬の物語ですみません。
先週は、睡眠不足になるほど、忙しかったので、書きためてある小説の中から、
一部お話を、持ってきて掲載しました。
運気は、相変わらず、悪くて、ワインの量が毎晩すすんでます。
来週は、そろそろ、良い事あるかな~。(^O^)
mikonos