そして、出口の見えないトンネルの中を
手探りで歩くことになります。
出口も見えず灯りもないので
転んだりぶつかったり
もう、傷だらけになっていました。
もう、動けないと思った時に
あるおばあちゃんが
「あんた、お墓掃除しなあかん。
ご先祖様が沈んどる。」
そう言われて、継母の彼女がどう動いても
お墓は私が守っていこうと決め
何年か前の雪の溶けた3月に3日ほどかけ掃除をしました。
今でも忘れることができませんが
お墓掃除が終わり
お花、ろうそく、お線香をお供えした時
いきなり、お線香が風もないのに
ボーッ、バチバチ
音をたてて勢いよく燃え始めたのです。
もう、あたりはお線香の煙で真っ白になりました。
きっと、父を含めご先祖様が喜んでいる。
そう確信しました。
それからは、できる限りお墓に行き
お掃除をし、お参りをしています。
私なりのお参りです。
お花は季節のお花。
お墓に着くと必ず言う言葉
「みんな、待っとた?
ごめんね、すぐ来れんくて。
今からお掃除するし、ちょっと待っとて」
そう声をかけてお掃除をしています。
いまは、あんなにもがいて苦しかった日々が嘘のようです。
ご先祖様は私たちをこの世に送ってくれた方々。
送ってくれたからこそ
様々な体験ができる。
それが自分が望んでいない体験だとしても。
いつかは体験ができない日が来る。
永遠の命はないから
苦い、苦しい体験の時は
外から自分を見ると案外進めます。