猿田彦命と、天細女命の結婚は、ハッピーエンドとはほど遠い伝説も、てんこ盛りです
猿田彦命は「天地を照らす神」ということから、天照大神以前に伊勢で信仰されていた太陽神だったとする説もあるそうです。
邇邇芸命らが無事に葦原中国に着くと、邇邇芸命は天細女命に、「その名を明らかにしたのだから、猿田彦命を送り届けて、その名前をつけて仕えるように」と言います。そこで天細女命は「猿女君」と呼ばれるようになったとのこと。(『日本書紀』では、猿田彦命が天細女命に自分を送り届けるように頼んだことになっています)
えーっと、
結婚したという記述ではないな…。
天細女命は、猿田彦命に「仕えた」???
猿田彦は故郷の伊勢の五十鈴川の川上へ帰るのですが、伊勢の阿邪訶(あざか)の海で漁をしていた時、比良夫貝(ひらふがい)に手を挟まれ溺れたと。
この時、海中で溺れた際に生じた泡からは三柱の神が生まれ、阿射加神社に現在は鎮座していると。
えーーー突然に急展開
そんなすごい方なのに、あっけなさ過ぎます。
ん?
いや、
でも、亡くなったとまで、はっきり書いてはない?
一方、天細女命。
天細女命は猿田彦命を送って日向国(または志摩し国)に帰った後、大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に仕えるかどうか尋ねた。
みな「仕える」と答えた中でナマコだけが何も答えなかったので、天細女命はその口を小刀で裂いてしまった。それでナマコの口は裂けている。アメノウズメの功績により、代々の天皇は志摩国から新鮮な海産物が献上される時は、猿女君に与える。
突然
このくだり、必要?
なにを意味してる?
■猿田彦命
猿田彦命は、国津神。
天照大神以前に伊勢で信仰されていた太陽神だったとする説があります。
自らが光輝き、道を照らすことができたんだとか。
天照大神の孫の瓊瓊杵尊が、降臨。
それが弥生時代の幕開け。
ということは、縄文時代は猿田彦命が太陽神だった?
また、どのようにしてかはわかりませんが、猿田彦命は、瓊瓊杵尊が天降ることを誰よりも早く情報をキャッチできていたようです。
■天細女命
天細女命は、天津神。
天岩戸神事の天太玉命の娘にあたります。
巫女みたいな担当かな?
素戔嗚尊が高天原に向かって来ているのを最初に気づいたのは、天細女命だったそうです。
そして、なによりも芸能を司る神として有名です。
国内で見られたはじめての踊り子といわれることもあり、様々な芸能関係者から篤い崇敬を集めています。
まさに、圧倒的、神アイドル!
人を魅了する魅力の持ち主。
あの、天照大神や猿田彦命までも
更には、
数いる神々の中で、
猿田彦命との交渉の先達に選ばれている。
また、
大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に「仕える」と答えなかったナマコだけ口を小刀で裂いた=自分の役目を全うするキャリアウーマン
お二方(二神)共に、どちらもひけを取らない最強実力者。
当時は、天津神と国津神は結婚することがなかったから、最初は、婚姻という形にとらわれないパートナーだったと考えるのが自然な気も?