6.酵母は生きている。 | 星の輪ネットワーク

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金 銀花の独学パン工房 .
山ぶどうから生まれた自家製天然酵母で焼くパンを楽しみ、緑に囲まれて暮らすワンダーフルな日々の出来事を綴ります。

 巫女淵酵母を使ってパンを焼き始めると、この酵母はとても強いものであることがわかりました。そのうえ、小麦の旨みと甘みを引き立て、酵母自体の味は控えめ、と理想的なのです。それにまた、材料を合わせ、捏ねる時の手ごたえが、とても気持ちいいのです。


 さて、素晴らしくおいしいパンが焼けた後、半分近く使ってしまった種酵母を、どうやってキープして行くか、それが次の課題となりました。そこで私はパートナーのAに相談してみました。彼はこういう時とても頼りになるのです。助かってます、いつも・・・


 彼が言いました。「酵母は生きているんだよね。だから、生きるための食物が要るでしょう。何が好きなんだろう。」と、言われて見ればその通り、さっそく二人で考えて、小麦粉なんかいいんじゃない、と結論しました。そして誰かに分けて上げる時の事も、考えてみましたが、自分自身、難しい事や、面倒な作業が得意ではない方なので、その場合、出来るだけ」簡単に、ということを最重要としました。


 その結果、ヨーグルトと同じようにして見たらどうか、という事になり、少し(普通のカレースプーン2杯くらい)の種菌(酵母)と小麦粉と水を混ぜ合わせて、一晩冷蔵庫の中に寝かせたのです。そして翌朝、酵母ちゃんはどうなっているかな、とビンの中をのぞいて見たら、もうあの、自然薯芋をすりおろした状態になっていて、ねっとり、もっちりしています。これには私たちも驚きました。え、こんなに簡単に増やせちゃっていいの・・・。


 酵母の増やし方が、あまりにも簡単に予想どうりにいったので、これが本当に使えるかしら、と思ったくらいでしたが、大丈夫でした。今では、この方法で皆さんに分けてあげています。


 こうして、偶然のように出来た酵母が私の手から、別の人の手へと、そしてさらに次の人へと、どんどん広がって行く可能性が見えてきました。そうなったら楽しいでしょうね。