ココロノママニ田舎町の繁華街は、暮れるのが早い。だけど提灯に火が灯り、薄らぼんやりした 緩い明るさは、心の片隅に追い遣ったはずの、込み上げる悲しみを思い出させる。こんな街に戻って来たって、誰も笑顔をくれやし無いのに…辛さだけが覆いかぶさる様に 心をかき乱すだけなのに。業でしょうか。縁の薄い私が 最後まで 見送らなくてはならないなんて。海紅豆の真っ赤な花は もう散ってしまいました。