復活した千代の人生に、もう一平は必要ないと思った。過去は忘れて、あとは進むだけ。もう、辛いことなんて、わざわざ掘り返す必要ないって。
でも、脚本の八津さんは最後に出しちゃうんだねぇ。

一平も自分なりに脚本を書き上げて乗り越えていた。
しかし千代に悪かったという気持ちは残っていたはずだ。千代が戻るのはそれを救うためだと思った。

みんなが救われる大円団。とても朝ドラ的。

でも、千代の方も、道頓堀を誰にも告げずに離れてしまったという思いも残っていたわけだ。
それを消化するためか。

立ち直ったもの同士の再会。
一平と2人のシーン。
何も話さないんかい!
緊張した空気を感じるが、思いのほかあっさり。
どんな気持ちで会ったんだろうな。

そして3人の場面。
一平あぐらのままなのはそういう演出なのか。

千代と一平との間にはもう、情というかそういうものは感じられなかった。お互いにもう腹くくってるのか、とっくに吹っ切れてるのか。かつて夫婦だった2人がこうして面と向かっているのが、なんとも言えない。気まずくて、逆に灯子がいてよかったぐらい。
一個人として、役者同士のやりとりだ。
バックで流れる音楽が明るくて、暗い雰囲気を穏やかにしていた。

一平、千代がいなくなってからずっとどの場面でも自信なさげな雰囲気だったのに、千代を前にちょっと貫禄を感じた。
やっぱ千代がいないとだめなんだねーこの人は。なんか締まらない。

千代はテルヲに一平に、男に振り回されて、男なんて必要ない人生だったけど、一平は女がいないとだめなんだなきっと。