実家の祖母は施設へ入所し、体は元気だが家族のこともまったくわからない。
母方の祖母は、倒れて入院、しっかりしていたのに、寝たきりで今は話すことができない。

元気な時、いつでも会えたはずなのに、自分の身の周りのことで精一杯で、気づいたらコミュニケーションが取れない状態になってしまっていた。

お見舞いのとき、何かおみやげと思っても、食べ物はだめだし、花だって管理できないしと思い、折り紙でくす玉をつくって持っていった。

これは私の気休めだ。何か理由がないと行きづらいのだ。
次のくす玉ができたら、また行ってみよう。

不思議なものだ。大切なものは近くにあるときには気づかない。当たり前の日常が、どれだけ幸せなことか。たまに立ち止まって周りを見渡すと、その幸せに気づくことができるのだ。