「臨床の砦」夏川草介 2021年

あらすじ

医師、敷島寛治は
コロナ診療の最前線に立つ
信濃山病院の内科医である。
一年近くコロナ診療を続けてきたが、
令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、
医療崩壊寸前の危機にさらされる。

著者夏川さん自身の経験を元に
診療現場を克明に描かれたもの。



リアルな描写に手に汗握るシーンが多々…
当時の様子が蘇るようだった。
勤務先の介護現場では、
刻々と迫ってくる
得たいの知れないウイルスに恐怖と怯え
日々の検温、PCR検査、パーテーション、
ソーシャルディスタンス…
戦々恐々のあの日々を思い出して
気分が沈んだ。
と同時に、良く耐え抜いた…とも。

病院はもっと過酷な状況だった。
治療法も確立されてない初期。
手探り状態での治療は医師、医療従事者の
心も体も疲弊していただろう。


「コロナは肺を壊すだけじゃない。
心も壊す」

「対応が困難だから、患者を断りますか?
病棟が満床だから拒絶すべきですか?」
(一部抜粋)


院内では混乱し、大きな軋轢が生じる中
敷島医師の悲痛の叫びに涙が出た。