「百年の子」古内一絵 2023年

あらすじ
28歳になる明日花は勤務する出版社が
出版する学年誌100年の歴史を調べるうち
今は認知症の祖母が
戦中、学年誌の編集に関わっていたことを知る。
祖母の軌跡を紐解くうちに
明日花は子供の人権、文化、心と
真剣に対峙し格闘する先人たちの姿を
発見していく。




祖母スエ、母待子、明日花
それぞれの思いが交錯する。
仕事と家庭の両立の難しさ、
母と子のすれ違い…
徐々にそうするしかなかったお互いの
わだかまりが解れていく。


祖母が明日花と同じ出版社で働いていたことを
黙っていたのは
祖母の明日花に対する愛に溢れていた。


時代に戦争に国に翻弄された
その時代に生きるしかなかった人々の
思いが胸に突き刺さる。

「耐えていたこと、眼を逸らしていたこと
認めたくなかったこと
信じたくなかったこと………
それらすべてが
たった今、現実になってしまったのだ。

本当は知っていた。
日本がこの戦争に勝てないこと、
自分たちの努力のなにもかもが
すべて無駄だったこと
日本は負けた。
悪夢ではない。

これは事実だ。」
(一部抜粋)


戦後ようやく選挙権を与えられた
女性の歴史はまだ100年も経っていない。

考えて考えて
未来に希望を持てるように。

日本に生まれてよかったと、
この時代に生きててよかったと、
そんな風に思えるように生きたいと思った。