「多類婚姻譚」たるいこんいんたん
凪良ゆう 2026年
(栞の糸の紫陽花のような紫がなんとも綺麗
)
あらすじ
家族の期待に応え
ついに恋人と帰省する決意を固めた華。
結婚したい。
ありふれた夢の話なのに
東京ではこんなにも遠い。
離婚して実家の書店を継いだ一葉。
そこに偶然初恋の人がやってきて…
入籍を目前にした男女。
性差を越え個としてわかり合える日は来るのか…
仕事も恋も魂も分け合った二人。
だが、夢のような時間はいつしか終わりが来る。
連作短編。
セクシュアリティ、ジェンダー、金銭感覚
世代間格差、生育環境…
あらゆる価値観の対立の中で
現代を生きる他人との共存。
「わかりあえない、あなたと生きていく」
皆それぞれ、どうにもならないことや
努力しても報われないことに
足掻きながらも生きていく。
生きづらい今の現代で折り合い付けながら。
「わかりあえない」ことが前提だとしても
思いを伝え、思いを伝えてもらい
納得したり、諦めたり…
人生はままならない。
生きるって楽しいことばかりではなく
理不尽なことも多くて
正しいことばかりでもないけれど…
まあ~しょうがない。
その不自由さも受け入れる。
「中途半端って
悪いことばかりじゃないんだってわかった
みんながみんな
はっきりとした夢や目的を持って
生きてるわけじゃないし
生きてるだけでカロリーのほとんどを
消費してしまう人もいる。」
「人ががんばる理由が
大層なものである必要はない
夏の夕暮れに飲む冷えたビールや
眠る前にベッドで読む本の続きや
休みの朝に焼くパンケーキや
シャンパン片手に
熱々の海老天を食べることだっていい。」
(一部抜粋)
がんばってもがんばっても
報われなくても
わかり合えなくても
まあ~そんなもんかな~って
楽に生きていく。
それでいいんだよな~~~
いやはや、
自分ですらちょいちょい思考迷子なんやから
他人と「わかり合える」
って難しいよ。うん、難しい
凪良さんの言葉が胸にストンストンと
落ちて収まっていく心地好さでした✨

