「13月のカレンダー」宇佐美まこと 2025年
両親の離婚以来
疎遠だった父方の亡き祖父母の空き家相続を
持ちかけられた侑平は
15年ぶりに松山の地を踏んだ。
13月まである不思議なカレンダーと
脳腫瘍を患った祖母の症状を綴った
大学ノートを見つける。
祖母が広島出身で、
その兄は原爆で亡くなっていたことを
近所の人から初めて知らされる。
2人を知る関係者に会うため広島へと向かう。
そこで語られた原爆投下前後の真実とは…
昭和20年8月5日は原爆投下された前日。
その日に運命を分けた出来事が
この物語の中心となっている。
原爆によって人生を狂わせられ
生きてても地獄のような様々な病…
健康被害だけでなく
就職、結婚、出産の折々に
いわれのない差別を受けてきた。
それは想像以上の苦しみ、悔しさだったと思う。
「子どもだった頃
戦争が起こっても何もできず
ただ黙って殺されていくしかなかった。
新しい時代の子らには
自分で未来を選択してもらいたい。
大人が間違った選択をしそうになったら
大きな声で「NO」と言ってもらいたかった。
怒っていいのだと伝えたかった」
(一部抜粋)
侑平がたどり着いた真実が
せつなくて苦しくて胸を締め付けた。
広島の原爆資料館は何度か訪れたことがあった。
怖くて目を背けたくなる現実に
でも、背けてはいけないと!
二度とこんな惨劇は起こさないで欲しい
と思う。
