「森にあかりが灯るとき」藤岡陽子 2024年
あらすじ
お笑い芸人の夢に挫折し
特別養護老人ホーム「森あかり」で
介護士として働くようになった星矢。
初めての夜勤の日に
利用者の鼻に酸素を投与するためのチューブが
人為的に切断されているという
医療事故に遭遇。
さらにその原因が星矢にあるのではないかと
施設長から疑われてしまう。
介護士としての将来に自信をなくし
仕事のやりがいも感じられないまま
過ごしていたが…
「若者たちが介護業界を離れていくのは
仕事がきついからだけではない。
給料が安いからだけでもない。
この業界に希望を見いだせないからだ。
利用者の家族に訴えられないよう
体裁だけを整える介護。
誰のためにやっているのか
わからない延命至上主義。」
(一部抜粋)
わかりすぎて苦しかった。。
介護施設の看護師として
今年で20年。
自由に動けない利用者さんが
「早く迎えに来てほしい。」
と口にする度
「そんなこと言わないで…」と
胸が痛くて身体をさするくらいしか出来ず
もどかしさが付きまとう。
それでも、施設に通って
一緒に過ごす時間だけは
楽しい幸せな時間であってほしい。
介護士、看護師として
日々の教務に追われ
思い描いていたものとは違う介護の仕事に
疲れたり絶望したりして辞めざるをえなくて
去っていく職員も多い。
物語の中で高齢の倉木さんの言葉が胸に響く!
「私くらいの年になると
頭も体も思うようにならないんです。
不自由な体で暗い森の中を歩いているんです。
そう、森です。
木がうっそうと生い茂る森を歩いているんです。
昼間でも日が当たらず
夜になると暗くて、前が見えなくて
そんなところをふらふらと
死ぬまで歩いている感じなんです。
時々チカッチカッて光が見えるんです。
蛍のような淡い光じゃなくて
灯台の光線のような
目が覚めるほど強い光です。
施設で働くあなたたちですよ。
若い人が頑張っていてとても忙しそうで
でも、なにもできなくなった自分には
眩しく見えるんです。」
(一部抜粋)
介護施設での仕事は
キツくて大変でやることも多すぎて…
でも、笑いに溢れてたり
一緒に歌って踊ることもある。
利用者さんの笑顔やありがとうの言葉に
励まされることも多い。
やれるまで頑張ろう。
灯台の光線のように強い光は
放たれないかもしれないけど
小さくても明るい光を灯せるように✨
