「くもをさがす」西加奈子
カナダでがんになった西加奈子さんの
ノンフィクション。
私は闘病、という言葉をやめていた。
「病気をやっつける」という
言い方もしなかった。
これはあくまでも治療だ。
戦いではない。
たまたま生まれて生きようとしているがんが
私の右胸にある。
それが事実で、それだけだ。
カナダの看護師の言葉が胸に刺さる。
「カナコ、がん患者やからって
喜びを奪われるべきやない」
本の中でのカナダの人たちのセリフが
関西弁で表現されてて
がんの話だけど時々クスッと笑わせてくれる。
そんなユーモアに西さんらしさが溢れてた
それでも、がんの告知、治療、手術…
異国の地で、どれだけ不安で怖くて
心細かっただろう。
抗がん剤の副作用の辛さ、孤独感、絶望感も
赤裸々に綴られていた。
そして、常に、家族、友人、医療従事者
周囲の優しくも頼もしい人々に支えられていた。
「あなた」に向けて書いている。
どこにいるのか分からないあなた、
何を喜び何に一喜一憂し、
何を悲しみ何をおそれているのか分からない
会ったことのないあなたが
確かに私のそばにいた。
あなたにこれを読んでほしいと思った
(一部抜粋)
読み手となる私たちに向けて
全身全霊の力を振り絞って書き続けた
魂の叫びのような様子が文章から
力強くひしひしと伝わってきた!
