『ディア・オールド・ニュータウン』
小野寺史宜 2025年
母がなくなったことを機に会社を辞め、父が遺した日本そば屋を継いだ鳴樹。
父の時代にやっていなかった出前サービスで
商機を見いだそうとした鳴樹は、
幼馴染みの小枝に声をかける。
気持ちを新たに
二人で再開した『ささはら』には、
徐々に客も増えてきた。
そんなある日、
出前先で再会した顔見知りの和太は
少しヤンチャな青年になっていた。
どこか気にかかる鳴樹は、
和太にある提案をしてみるのだが…
この町に暮らし、
さまざまな結びつきを持つ人々が織りなす、
心に染み入る人間模様。
小野寺さんの描く人間模様は
どうしてこうも終始温かいのか![]()
主人公の鳴樹は優しいおせっかい。
誰かが困ってると気になり首を突っ込みたくなる。でも、無理強いしないおせっかい![]()
で、それは必ずそれはいい方向に向かう。
ニュータウンだった町が
次第にオールドタウン化していく
自分の住む町を、住む人々を、
愛して大切にしたいと願う鳴樹。
常に人のことを考えて孤軍奮闘している。
そして、
読みながら人に優しくありたいと強く思った。
町の情景が思い浮かび
人々のふれあい、繋がり
そばを配達するカブに乗った鳴樹も。
そのどれもが優しくて温かい![]()
最初から温かさ全開だけど、
特に最後の数ページは
ほっこりほかほか~心に沁みた![]()
鳴樹をはじめ周りの人々の人柄の良さが
溢れまくってた✨
この町に住みたい!
鳴樹のそば屋の常連になりたい!
と本気で思った![]()
